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薄桜鬼オンリーイベント【ゆきさくら 第五章】

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2011/08/24 Wed  12:57
二十章 『線香花火』(薄桜鬼 土方×沖田)

BL要素を含みますので、苦手な方はご遠慮下さい。
また、他章にてR18指定の内容がでてくることもありますので御理解のうえ、お読みください。
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二十章 『線香花火』(土方歳三)


 花火のように、その一瞬の命を燃やす。
 明日をも知れない、闇の道を。
 この身が朽ちて消えるとしても、願わくば、せめて、あなたの中で生きていたい。


 >>>>

 「あぁ、聞いたんですか?なんだ、松本先生、しゃべっちゃったんだ」
 まるで人ごとのように、人を食ったような態度。
 「なんで隠してた?もっと前から知ってたんだろうが」
 なんとはなしに、声が強まる。
 西本願寺に屯所をうつし、しばらくたってからのことだった。
 「なんでって・・・・。言ってどうなるっていうんです?」
 あきらめきった、抑揚のない声。
 むしろ、だから何?といわんばかりの。
 『どうにもならないでしょう?』
 そう聞こえてきそうな捨て台詞。
 冷め切った、感情のかけらもない声で。

 今日、松本先生に聞かされた言葉は耳を疑う現実をつきつけてきた。
 まさか総司が?
 底の見えない闇が頭の中をかき乱す。
 『労咳だよ。今すぐにでも、もっと環境のいい場所にでも移して療養したほうがよいのだがねぇ』
 長い間、咳ばかりしていっこうによくなる気配をみせない総司のことが心配になり、松本先生に聞いてみた、その答えが『労咳』。
 耳を疑った。
 誰もが恐れる死の病。
 肺を蝕まれ、やがて、血を吐き死に至る。
 この時代、治療方がなかった最悪の病だ。
 心配ばかりが上に立つ。
 とにかく、療養できる場所を探して・・と言おうとして、口をおさえた。
 数年前、『江戸へ帰れ』そう言った時の総司の顔を思い出す。
 一緒に近藤さんを押し上げる。
 かわした約束。

 「ほら、そういう顔するんじゃないですか」
 ぼそりと総司がこぼす。
 庭先の椅子に腰掛け、遠い方をみつめたまま。
 二の句がつげず、立ち尽くしていた。
 『労咳がなんだ?新選組にいれば、そりゃ、何かの拍子に命を落とすことなんていくらでもあるじゃねぇか。』
 そう言いきれる人間なら、きっと総司は隠しはしないのだろう。
 新選組の為なら、鬼にでもなんでもなれる。
 けれど、総司には・・・。

 「これって、今まで斬ってきた人とかの呪いとかだったら嫌ですよねぇ。僕、そういうのはちょっと。芹沢さんとかやりそうな気がしません?」
 俺の沈黙を壊すように、総司がきりだす。
 いつものような、いたずらっぽい笑みを浮かべて笑えない冗談を言う。
 「おまえなぁ」
 当の本人が、全く気にしないような声でおどけた物言いをするのだからあきれてしまう。
 内心がどうなのか、はかりきれない。
 一呼吸おき、一瞬の沈黙が広がる。
 それを砕くように、
 「いいじゃないですか、・・・僕はまだ、闘えますよ」
 まっすぐと前を向いたまま、総司が言った。
 俺に向けていったのか、自分に言い聞かすように言ったのか。
 何が言いたいのかわかるからこそ、余計に言葉がでなかった。
 約束をたがえるなと、たがえないと。
 その思いは俺も同じ。
 同じだが、安全な、環境のいい場所で、そう願うのは、やはり甘い考えなのだろうか。
 『場所を移して療養を』
 など、結局、言うことはできなかった。
 今の新選組にとって、総司の存在がかけることは痛手であることも事実だった。
 「ああ、頼りにしてる。その為にも、しっかり食って、寝て、温存してくれねぇと困るな」
 自分の気持ちを抑えつけながら、総司の頭をくしゃくしゃとなでる。
 「はは、嫌なこというなぁ。」
 猫じゃらしにじゃれる猫みたいに目を細めて笑いながら、両手で俺の手を押し返す。
 「大切なことだろうが。病気に勝つにゃぁ、体力と栄養は不可欠なんだからな」
 腕をつかんだまま、もうっという顔をして、
 「土方さんって、おかぁさんみたいですよね」
 などと言ってくる。
 上目使いに見上げるにくたらしくも可愛くて仕方がない顔。

 「はぁ?」
 「だって、・・・いちいち口うるさいし」
 ぼそりと、総司が右に目をそらした。
 「なんか言ったか?」
 「べーつにー」
 勢いよく、つかんだ俺の手を払いのけると、立ち上がり、いつものような上から目線の嫌味な顔をしてあっかんべーをしてみせる。
 「ったく、総司!」
 労咳であることが嘘のように、走って屯所の中へと消えていく。
 残された俺は、ただ、その方向をじっと見つめていた。



 >>>>

 それから数年、
 (慶応四年一月)

 新選組におかれた状況は急激に悪化をしていた。
 鳥羽、伏見での劣勢により、京を追われた新選組は、大阪に望みをたくし、大阪城で陣をかまえたが、守るべき、将軍そのものが江戸へ撤退するという事態に、新選組もまた、江戸への撤退をよぎなくされることとなっていた。
 新選組が置かれた状況もどんどんとよくない方向へ向かおうといていた。
 弱っていく自分と葛藤し、千鶴の兄と名乗る薫にそそのかされて変若水を飲んだ総司は、羅刹になり、
 しかし、労咳は治ることもなく、また、打ちこまれた銃弾にあたり、負傷、療養をよぎなくされている。

 新選組は、品川にある、旗本専用の宿に身をよせ、総司と近藤さんは、松本先生のところへと預けられ、治療が行なわれた。
 労咳の悪化も重なり、総司は、日がな一日寝込んでいることの方が多くなった。
 ときおり、新八や原田がぐちをいいがてら、総司のところに訪れ、また、平助も何かしら相談をしにいったりもしているらしい。
 俺がいけない日は、斎藤に様子を見に行ってくれるよう、たのむこともある。
 俺はと言えば、あれやこれやと走りまわり、会えない日が続いた。
 それでも、なんとかむしりとった時間を無駄にしないべく、総司の療養に使わせてもらっている、松本先生のところへと足を運んでいた。


 そして
(慶応四年二月末日)

 迷いなくその屋敷に入ろうとすると、玄関先で、子供が二人、俺の袂をひっぱった。
 「ねぇねぇ、あんた、この家の人?」
 無邪気な笑みをこぼす子供が尋ねる。
 「いや、そうではねぇが」
 すでに、勝手知ったる場所ではあるが、新選組の屯所とは違う。
 「なぁんだぁ、」
 残念そうにほっぺをふくらますと、子供たちはずかずかと、門をくぐっていこうとする。
 「仕方ねぇなぁ、わたしにいくかぁ」
 「総司いるかなぁ」
 「どうかなぁ」
 口々に言いあう、無邪気な声。
 総司?という言葉に思わず声をかけた。
 「総司がどうかしたのか?」
 「おじさん総司の知り合いか?」
 子供の言葉は時に残酷だと想う。
 想ったままを隠す事なく口にするのだ。
 『おじさん』、には思わず、がっくりと肩がおちる思いだが、構わず答える。
 「そうだ。ちょうど会うためにきたところなんだが、どうかしたのか?」
 「俺たち、総司に頼まれたんだ。これ、欲しいっていうからさぁ、買ってきてやったんだ」
 ずいっとつきあげられた手には、和紙にくるまれた、ひも状の束が見てとれる。
 「なんだそりゃぁ?」
 「花火だよ。もう、探すの大変だったんだよ。こんな、季節外れの冬に言うんだもん」
 身を隠す身だし、病気も悪くなる一方で、おとなしくしていろとあれだけ言っているのに、何をしてるんだと嘆息する。
 「そりゃぁ、すまねぇな。よければ、預かってわたしておくが」
 「本当か?じゃぁ頼む。」
 「おう、ありがとうな」
 「よろしくたのむぜ、おじさん!」
 子供たちは、そういうと元気よく駆けていった。
 『おじさん・・って。。。』
 またしてもずるりと心が折れながら、花火を受け取ると総司のいる場所へと足を進めた。


 「これは、副長、よくお越し下さいました。」
 「おう、山崎か。すまねぇな、総司の相手は疲れただろう」
 「はっ、・・嫌、これも隊士の務めですから。」
 否定しつつも、困っているという表情がにじみ出ている。
 山崎が目を落とした手持ちの膳には、ほとんど口をつけていないのだろう昼餉が並んでいる。
 「なんだ、また総司のやつ、飯を残してるのか」
 「はぁ」
 もともと食の細い総司だが、これでは良くなるものも良くはならない。
 「ったく、仕方のねぇやつだな。それで総司の様子はどうだ?」
 「今は起きていらっしゃいますよ。相変わらず、嫌味が言えるほどには元気かと」
 苦笑したくなる。
 真面目な山崎も、こと総司相手には、苦言の一つも言いたくなるらしい。
 本人は全くその気はないのだろうが、つい言葉の端々に抵抗感が顔を出す。
 それでも嫌とはいわねぇところが彼の真面目さだと思うし、たよりになる。
 それに、あの総司に、それなりに言い返せる数少ない男だ。
 それで心労背負う山崎には申し訳が無いが、医療の心得もあるし、気もきく。
 彼が総司の処にいてくれたのは実に心強かった。
 「私は片づけがありますので、失礼いたします。後でお茶をお持ちしますので、ごゆっくりとなされていってください」
 「あぁ、すまねぇな。」
 丁寧に頭を下げると、山崎は、勝手場の方へと歩いていった。

 総司の部屋の前まできて、障子に手をかけようとした瞬間、中からゴホゴホと嫌な咳音がきこえてくる。
 何度も何度も繰り返し、苦しそうな乾いた呼吸がひびく。
 そういう姿を見られるのを嫌がるだろう心情をおもんばかって、落ち着くのをまってから障子をあけた。
 「総司、具合はどうだ?」
 下を向き、息を整えていたのだろう総司が、はじかれたように顔をあげた。
 「あ、土方さん・・・」
 俺の顔をとらえると、ばつの悪そうな顔で少し目をそらす。
 入るタイミングが早すぎたらしい。
 が、こういう時は見なかったふりをするに限る。

 「あぁそうだ、総司、門の前でな、これをガキ二人から預かった。お前、大人しく寝てろってのに、何を頼んでやがるんだ」
 「はは、あったんだ」
 差し出した花火を総司が嬉しそうに受け取る。
 着物の隙間から見える痩せた腕が痛々しく感じた。
 「またお前、山崎の目を盗んでぬけだしやがっただろう」
 「だって、山崎くん、日がな一日見張ってるんですよ。まるで僕が悪いことをしたみたいじゃないですか」
 「してやがるだろうが」
 「違いますよ。山崎君があぁだから結果そうなっちゃうだけですってば」
 あぁいえばこういうは、健在だ。
 確かに、こうやって言い返せるぐらいには元気なのだと安堵する。
 「花火なんて、まさかやるつもりじゃないだろうな。」
 ずりおちた羽織を、肩にかけてやりながら、総司のすぐ横に腰をおろす。
 「やるつもりですよ。飾ってても仕方ないじゃないですか。」
 包みを開きながら、さも当然という風に言う。
 「だから、寝てろって言ってんのに、これ以上体調崩したらどうするつもりだ。だいたい、今は二月だぞ。どれだけ寒いと想ってやがるんだ」
 「だって、やりたかったんですもん。」
 ほっぺたを膨らませる表情は、先ほどの子供たちと良く似てる。
 「あのなぁ」
 「いいじゃないですか、付き合ってくれても。走りまわろうって話じゃないんだし。たき火でもしたらそれなりにぬくくできるでしょう?それともまた、今日もすぐ帰ってしまうんですか?明日から甲府へいくから、今日は一日、ここにいてくれるって約束したくせに」
 そうなのだ、新選組は、甲州鎮撫を命ぜられ、明日、甲府に向かい、新政府軍と相対することとなっていた。
 まだ、傷も癒えず、体調もいっこうによくならない、総司をつれていくことは不可能なため、総司をおいて、出立することとなっていた。
 そのかわりと、総司の我が侭を聞いて、こうして、今日一日は、仕事をいれずに、ここへ来たのだ。

 「ったく、仕方ねぇやつだな。本当に寒いんだからな、少しだけだぞ。正し、夕餉を全部くえたらな」
 また、甘いと、山崎に怒られる・・・だろうな。
 「えー、ちょっとひどくないですか?」
 「どこがひどいんだ?食事もろくに食えねえやつを、この寒空の下へ出す事なんてできるわけねぇだろうが」
 食い下がる総司のおでこをはたいて、にやりと笑ってやると、先ほど以上にふくれた顔をして
 「土方さんの、いじわる」
 と布団の中に隠れてしまった。


 >>>>

 「なんだ、線香花火ばっかりだ」
 子供たちが持ってきてくれた花火の包みを開いて、総司が苦い顔をする。
 「たりめぇだろ。手に入っただけでも有りがたいと思え」
 それでも気を取り直して、一本をつかみ、俺に渡してよこし、自分の分もよりわける。
 「まぁ、花火は花火ですもんね。」
 線香花火ばかりだが、それでも本数はよく集めたなと思うほどには入っている。
 「これ全部するのか?」
 「しますよ。もちろん。ちゃんと、夕餉をたいらげたんですからいいでしょう?」
 そういいながら、手にした一本に火をつける。
 花火をすると言ったら、山崎はもちろん意義を申し立てた。
 最期には、あきれかえっていたが、なんとか言いくるめたのだ。
 ぶつぶつ言いながらも、
 『副長がおっしゃるなら』
 と水桶から、焚き火用の薪から何から何までを用意してくれたのだ。
 総司も、おそらく、無理をしているのは明らかだったが、それでもなんとか平らげてくれた。
 総司がしたいというのだから、させてやりたいと思い、山崎に頼んで少し量を減らしてもらっていたことに、総司が気づいたかどうかはわからない。
 それでも、いつもほとんどを残している総司にとっては、まだ多すぎる量だっただろうと想う。
 火をつけるとパチパチと線香花火独特の火花が散る。

 じりじりと火薬を焼く火は牡丹のように赤い玉を形成する。
 玉から激しく火花を発する松葉、やがて、柳、火花の料が減ってくる。
 そして、消えゆく直前を散り菊という。
 玉は落ちやすく、落ちたら終わり、ゆえに、極力ゆらさないように持つのが難しい。


 二人そろって、真剣な面持ちで、手元の火花を見つめる。
 「地味ですね」
 うーんという顔をして総司が手元を見つめたままつぶやく。
 「でも、やるんだろ」
 「やりますよ」
 総司が嬉しそうにはにかんだ。
 ぼんやりと広がる火花の明かりがその顔を照らしだす。
 「土方さんと、花火がしたかったんです。」
 聞きもらしそうな小さな声で総司がささやく。
 寂しげにも見える伏せた目で、煌めく火花を見つめたまま。

 さざめきに浮かび上がり、おぼろに揺らぐ表情が、今にも闇にとけていきそうなはかなさに、思わず手をのばした。
 衝撃で手元がぶれる。
 引き寄せられてバランスを崩した総司が不平をもらした。
 「もう、なんですか、土方さん。ほら、種がおちちゃったじゃないですか」
 「なんでもねぇよ」
 それでもつかんだその手をはなさない。
 ぐいっとひっぱり、自分の懐へとひきいれる。
 「ちょっと、土方さん」
 「うるせぇ、大人しく抱かれてろ」
 身動きとれないほど、強くその腕に抱く。
 後ろから腕をまわし、愛しいものを離さないように。
 「なんですかそれ」
 総司の髪に、顔をうずめたまま。
 「見惚れちまったんだよ、わりいか?」
 嘘を吐く。
 総司がくすくすと笑いながら我が身にこぼれた俺の髪に指をからめた。
 「悪く、ないですけど・・」
 ちょっと恥ずかしそうに眼をふせた。



 たくさんあった線香花火も、最期の二本になっていた。
 その二本を持った総司が、その手を頭の上あたりまで持ち上げて、
 「競争しましょうか、土方さん」と言う。
 顔はあわせない。俺が後ろから、総司をだっこする姿勢のまま。
 「競争?」
 「はい、どっちが長いこと玉を落とさずにいけるか、昔よくやったでしょう」
 花火の先がくるくるとまわる。
 「やったなぁ、ていうか、お前の一人勝ちだったじゃねぇか、邪魔ばっかりしやがって」
 総司が振り回す花火の一本に手をのばす。
 「えー、じゃぁ、また土方さん負ける気なんだ。歳くいましたし、手に震えでもきてますか?心配だなぁ、そんな人が副長とか、大丈夫ですか?」
 おどけて、笑いながら腕の中で総司が暴れる。
 ムッとしてそんな総司の体をひきかえす。
 「てめぇは!!」
 昼しがた、子供たちに『おじさん』といわれたことを思い出す。
 ったく、嫌なこと言いやがる。
 「誰が負けるって言った、今日こそ勝つ」
 「はは、どうだかなぁ。じゃぁ、せぇので火をつけてくださいよ」
 「おう」

 せぇの、の合図で付けられた最期の花火は、華のような火花を放つ。
 お互いに、落とさないように息をつめた空気は、まるで時間がとまっているかのように長く感じた。
 腕の中に抱かれるまま身を預けていた総司が、ふいに俺の着物の袂をつかむ。
 それからゴホゴホと苦しそうに咳をもらし、体を前に屈めてゆらした。
 その衝撃で、火だねが床へと落ちていく。
 断末魔の光が砂にはじかれて闇へと消えた。

 それを追うように、俺の手に握られた線香花火の種も闇へと消えていく。
 「あぁあ、負けちゃった」
 まだ幾度となく咳をくりかえしながら、残念そうな顔をする。
 消えていった光の方角を見つめながら。
 「また、やれるといいですね」
 「そう、だな」
 やるせない気持ちと不安感。
 かたくなに内を見せないその細った体を、一身に抱きよせた。
 抵抗せずに上を見上げて総司が笑う。

 「僕は、消えたりしませんよ」

 「あたりめぇだ」

 自分に言い聴かせるように、澄み渡る冷気の静けさに思いを刻んだ。

 雪がちらつく。
 誠に誓った儚き夢の、崩れて行く音がする。
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プロフィール

十六夜桜(通称:野良猫)

Author:十六夜桜(通称:野良猫)
野良猫と申します。
あっちでは薄桜鬼、こっちでは白華の檻と乙女ゲーに踊らされております。

お読み下さい

※当blogにある画像及び、小説等について、転載及び、個人で楽しむ以外の使用はご遠慮下さい。

※タイトル欄や本文に<R18指定>と記載されているものにつきましては、教育上宜しくないと思われる内容を含むおそれがありますので、18歳未満の方の閲覧を禁止させていただきます。ご了承下さい。


※SSLシリーズでは、特に公式にない設定をかなり、作っております。
おい!って思われるだろう設定もあるかもしれません。 特に、たとえ、史実をほのめかす内容があったとしても、史実の隊士たちや、御家族にも、全く無関係の創作であると強く主張致します。
公式を離れた内容に抵抗がある方にもお勧めできませんので、宜しくお願いします。 それらもふまえたうえで、それでもOKという方のみ、ご覧下さい。


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