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薄桜鬼オンリーイベント【ゆきさくら 第五章】

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2013/06/12 Wed  20:37
薄桜学園文化祭-5 【文化祭前日-2 土方×沖田】

R18指定BL小説です。
18歳未満の方、またBL要素を含む作品が苦手な方はご遠慮下さい。




薄桜学園文化祭-5 【文化祭前日-2 土方×沖田】

文化祭前日、準備が追いつかず、遅くまで居残りをしたり、泊りを申し出る生徒も多い。
放っておくわけにはいかないので教師も付き合うが、休まずにというわけにもいかない為、交代で面倒をみることになっている。
俺は放課後から、第二陣の教師が休憩を終えて帰ってくるまでを担当する事になっていた。
子犬の事はとりあえず、島田に頼んであるので、職員室で、仕事をしている。
その横では、原田の席を陣取って、総司が画用紙に向かって座っていた。
「おい、クラスの、手伝いに行ってこいよ。まだ終わってねぇんだろうが」
「えーっだって僕は大道具班じゃないもん」
何いってんの?という顔で、チラとだけこちらを見て、また、画用紙に目を向ける。
「ないもんって、学校にいるくらいなら、それくらいちょっとは手伝うべきだろ」
「やだよ面倒くさい。」
画用紙の前には座っているが、ペンのふたをしたまま、先っぽで机を打ち鳴らす。
俺も、パソコンの操作をしながら、なので、口だけでの会話だ。
「斎藤だって行ってんだろ?」
「一君は真面目だからねぇ。僕は別に」
「別にって」
どれだけ言ったところで、総司には届かない。
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「それよりもポスターですよ。なんて書けばいい?」
トントントントン机をペンで打ち鳴らしていた総司が、そのペン先を顎にのせながら顔を上げた。
「それくらい自分で考えろ。お前が言いだした話だろ」
「そうだけどさー」
といいながら、足をパタパタさせ、ペンをくるんくるんと回す。
「おっ、原田からメール来たぞ。とりあえず、写真。取りこんだってよ。チラシ用のと、ポスターに貼るやつ、選んでくれって」
話をしている最中だが、メールが届いた事を告げるアラームを見て、メールを開く。
俺は、このメールが来るのを待っていた。
「わーい。どれにしよう」
総司は、ペンを机の上に投げ出して、俺の方を向く。
原田が帰る前に、総司も一緒に、あーでもないこうでもないと子犬たちの写真をとっていたのだ。
とったカメラが原田のものだった為、一旦家に帰った原田が自宅で作業をして、送ってきたのだ。
チラシは、原田が作ってくれるらしいが、生徒一人1枚担当のポスターにつける写真は、俺が印刷することになっている。
画用紙に切り込みをいれて、つけるらしい。
「ほらよ」
ノートパソコンを総司の方に向けて、マウスを動かした。
「てか総司、これ、二匹とも写真とってんじゃねぇか」
どれ、と開いて見てみると、二匹一緒に写っている写真はまだいいとして、1匹づつの、告知用写真まで2匹分あった。
これでは、皆目どっちがどっちか分からない。
「ついでだもーん。トシのは土方さんのメモリーに入れといて下さいよ。」
机の上に寝そべりそうな体を前に屈めた格好で、手の甲に顎をのせてメールを見る。
「トシ・・・・・???」
行儀が悪い!と怒りたいところだが、むしろ、総司の言葉にすこぶるひっかかりを覚えた。
「うん、うちで飼う方、トシ」
キョトッとした顔で、体制はそのままに、総司が目線を俺の方へあげる。
「いつそんな事に!!」
まったく、そんな事は聞いていない。
「うん、さっき決めましたけど何か?」
「何かっ?・・・・て」
総司はいつものように、それがどうかした?の勢いだ。



「可愛いじゃないですか、トシ。だから、間違えたらダメだから先にちゃんと、トシの写真、のけて下さいよ。うっかり間違ってトシが欲しいとか言われたら困りますから」
総司が簡単に注文をつけてくるが、俺にはいまいち、どちらがどちらなのか判別がつかない。
「そんな事言われても、どっちかなんて、わかるかっ!!」
まかせっきりにしようとする総司の鼻をつまんで抗議すると、総司が体をゆすってそれから逃れる。
「なんでですか、さっき見せたじゃないですか、こっちにするって」
二匹並ぶ写真の片方を指差す。
「一緒にしか見えん」
比べてみるが、兄弟犬なのだろう事もあってやっぱりよく分からない。
「なんでですか。こっちですよ。もう。眉間のこのあたりが、土方さんだし、どう見ても違うじゃないですか」
ますますもって分からない事を言いながら、指差している方の犬の眉間を指先でなぞる。
「はぁ?」
そもそも、なんていう言われようなのか、と俺の眉間にも皺がさらによるのだ。
「ほらぁ、それそれ、その皺ですよ。ゆえにトシですから」
俺の方を指差して、総司がくるんと回りそうな勢いで指差し、ドヤ顔をして見せた。
「やめろ」
「嫌ですよ。もう、トシで決定です。さっきちゃんと、トシーっていっぱい呼んできてあげましたから、もう変更は無理ですよ。名札もつけてきたし。まぁ歳三とかにならかえれますけど」
べーっと目の下をめくり、舌を出す。
「そんなものは大却下だ」
トシでも嫌なのに、歳三なんてさらにご免こうむる。
「いいじゃないですか、トシ。近藤さんも、そうかぁ、ちょっとややこしいけど、呼び易くていいなあって言ってましたよ。」
嬉しそうに、口調をまねながら、また机に頬杖を着きながら言う。
「それは、近藤さんが、俺の事をいつもトシって呼んでるからだろうがっ」
俺はクワッと目を見開きながら、胸の前で拳をにぎった。
「だから覚え易くていいじゃないですか。でも、ややこしいから、近藤さんは、トシの事は、トシタロって呼ぶんだって。だから大丈夫ですよ」
「何が大丈夫なんだ」
どこらへんが解決策なのが、さっぱりわかったものじゃないし、分かりたくもない。

「もう、いいから早く、移動させて下さい。サノさんにもメール返さないといけないんでしょ?チラシ、印刷しかけてから学校に戻ってくるって言ってたし」
「そうだが・・・」
ほらほら、と、総司が手を動かして、話の方向を変えようとした。
ブチブチと不平をたれつつ、総司が指示ずる写真をフォルダに動かす。
そして、何枚か残ったうちのいくつかを、開いてデスクトップに並べた。
「うーん。これかなぁ。でもこっちの方が可愛いかも」
総司が真剣な顔で見比べながら、パソコンの画面を触る。
「でもそれ目があいてねぇじゃないか。こっちのほうが。」
俺も覗き込みながら、写真を選ぶが、どうにも意見があわない。
「えーっ、だってそれ、ちょっと角度悪いよ。もっと可愛いもん、生のゾウは」
「ぞう???」
何故に、犬が象になったのか!!と馬鹿な変換を思わずしてしまった。
「うん。仮の名前。トシとゾウ」
そう言いながら、両の手の人差し指をたてて歯をみせる。
嫌な気がふつふつと駆け巡る。
「総司・・・・それはつまり、・・・・二匹あわせて・・・・・・・」
「トシゾウです♪」
キャッと破顔して総司が笑う。

「今すぐかえろ、すぐかえろ。馬鹿野郎」
ダンッと俺は机を叩いて抗議した
「えええ!!」
きゃーっ!と総司が、腕を横に差し出して、人を遮るような格好をしておどける。
「トシはともかく、ゾウはかえろ。てか、ポチとかタマとかあるだろうがもっと」
「タマはないでしょ。猫ですよ、それ」
馬鹿だなぁと鼻で笑う。
「・・・っ・・・じゃぁポチにしろポチに」
ネーミングセンスが低次元なことくらい、わかっているが、自分で飼うつもりの愛着が必要な方の犬ならまだしも、ゾウだと言われるくらいなら、どうせ、他人にやる犬なのだから構わないだろうと思うのだ。
ゾウなんて呼ばれるよりよっぽど、らしくて可愛いではないか。
「えー、面白くないじゃないですか」
そういう問題なのか???と突っ込まずにはいられない。
そもそも犬の名前に面白さとか、必要ないと思うのだが。
嫌・・・・俺に対して面白いってことだよなぁ・・・・・・と、わかるゆえに余計にイラッとする。

「ゾウだけは絶対却下だからな。いろんな意味でややこしいし」
「もう、我が儘だなあ。せっかく、何気なく、トシゾウ呼びできるのに」
睨む俺に、唇をつきだして不平をたれる。
「そんなに呼びたきゃ、俺をトシゾウって言えばいいだけの話だろ。学校では却下だが」
別に、家でその呼び方をすることを駄目だと言った覚えも無いし、むしろ、呼ばれればそれなりに嬉しい。



「それは・・・・・恥ずかしいから・・・・やだ」
ぷいっと顔を横にそらす。
「恥ずかしい???名前で呼ぶだけだろ」
何だそりゃと、顎をつきだして、総司に近寄る。
「恥ずかしいですよ。土方さん土方さんて呼んできて、トシゾウとか・・・・無理」
寄るなっとばかりに、総司が顔をあわせず、手を振ってシッシッと追い払おうとする。
ずかずかと物をいう癖に、名前で呼ぶのが恥ずかしいとか、可愛いんだかなんなんだか。
「はぁ?結婚したいだのなんだの言いやがるくせに、何が恥ずかしいだ。言ってみろ、ほら、俺の顔見てトシゾウさんって可愛く」
幸い職員室には今誰もいないので、廊下には聞こえないように、小さく囁く。
「嫌ですーっ。結婚しても、土方さんって呼ぶもん。てか、さんつけたら余計に恥ずかしい」
ウギャァと、頬に手をあてて、総司がムンクの叫びのようなポーズをとる。
よくわからん奴だと俺は首を傾げながら、呆れた表情で、上を見た。

そうこうしながら、なんとか、写真を選ぶと、原田に送信をしてからポスター用の写真を印刷する。
その間に、総司が、画用紙に、ペンを走らせる。
『子犬の飼い主探してます。大切にしてくれる人じゃないと斬っちゃうから!!』
と物騒なかきこみをした。
「おい」
「なんですか?けっこううまくかけたと思いません?」
総司は、ふふんと、紙を持ち上げて、手をのばし、誇らしげに見せる。
「飼ってくれる人を捜そうってのに、なんだその物騒な文言は。」
ココ!!と総司が見せる紙の後半の文句を指でつつく。
「だって大事でしょ。ただ飼ってくれるってだけでいじめられたり、ないがしろにするような飼い方されたら困るもん」
「そりゃぁそうだが・・・・」
言う事はごもっともだが、それならそれで、もっと書き方というものがある。
普通に、大切にして下さい、でいいところだ。
「あっ、そうだ。肉球描こう。可愛いよねぇその方が」
俺の注意は馬耳東風で、ふふっと、別の色のペンをとると、あいているところに、いっぱい足跡を書いていく。
「できたーっ!!」
それはもう、書いている文面の物騒さと、見た目の可愛さのギャップが見事なポスターができあがった。
そうこうしている間に、印刷していた写真が次々とプリンターから吐き出されてくる。
総司がそれをのぞきに、少し離れた場所にあるプリンターへ行って、一枚取り上げて、俺の方にぶんぶんと振る。
「わーい、けっこういい感じ。いれてみていいですか?」
自分の書いたが用紙とともに振りながら、声をはりあげる。
「あぁ」
そう答えると、テクテクとそれらをもって席へと帰ってきた。
「じゃぁ切り込みいれて下さい」
「だーかーらー!!!自分でしろって言ってんだろうがっ!!」
「えーっ」
キャーッとイタヅラ小僧の顔をする総司とは逆に、俺が叫んだ瞬間に入ってきた、他の待機教師が、思わず、入り口で、ビクリとなって固まった。
そして、総司の姿を確認すると、何事もなかったかのように、自分の席へとそそくさと座りにいく。
どうにも、俺がどなっている+総司がいる=あぁ、そういうことか。
という図式で、納得する傾向が広がっているらしい。
そして、触らぬ神にたたりなし、が合い言葉のように、見なかったふりをするのだ。
気にされないのが、良いのか悪いのか、実に悩む事態だ。

ニヨニヨと帰ってきた総司が、俺の引き出しから勝手に、カッターと定規をとりだし、さっそくとばかりに歯を画用紙にたてようとするので、俺は焦ってそれを止めた。
「まて、総司。おまえ、それ下なんかひいてるんだろうな?」
「ひいてないですけど?」
キョトッと首をかしげる。
「そのまま斬ったら、机に傷がつくだろうがっ!」
「大丈夫ですよ。ちょっとだけだし」
何の問題が?と軽く首をかしげ、また歯をたてようとする。
「大丈夫じゃねぇ」
そういうと、総司の腕を押さえて、動きを止めさせる。
全くもって、一から十まで世話をやかせる奴だ。
しかも、どうせ、狙ってやっている。
分かっているが!!!!!
結局世話をやいてしまう。
カッター台をとりに行ってセットすると、満足顔で、総司がそれに切り込みをいれて、印刷した子犬の写真を差し込んだ。
そしてさらに満足げに笑って、今一度、用紙を眺める。
「完成!!」
そして、やりきった感満載の顔で、俺の方にそれを見せた。
まるで、100点満点をとって親に見せる子供みたいだ。

そんな所に、原田が入ってきた。
「土方さん、わりい、ちょっと遅れちまったか」
少々小走りできたらしい原田が、落ちてきたシャツの袖をめくり直しながら、総司が先ほどまで座っていた席へと歩いてくる。
「いや、かまわねぇよ」
総司とバトルを繰り広げていたせいか、もうそんな時間かという気持だ。
「サノさん見て見て、できたよーっ、ポスター」
総司が、原田にも全力で自分の力作を主張する。
「おっ、なかなかいいじゃねぇか。」
荷物を席に置きながら、総司のポスターを覗き込む。
「でしょでしょ」
「チラシの方も、なんとかできたぜ。印刷間に合わなかったから持ってこれなかったけどよ」
「本当?楽しみ」
原田が笑みを浮かべて答えると、総司も嬉しそうに盛り上がる。
放っておくと、今度は、原田が完全に総司に捕まってしまいそうだ。

「あぁもう、引き継ぎするから、総司は、黙って座ってやがれ」
次の話を始めようとする総司の襟首を掴むと、くいっと後ろにひっぱる。
「えー」
総司は、首がしまるーっと押さえながら、体をねじって俺を睨みつけた。
「えーじゃねぇよ。いつまでたっても帰れねぇだろうが」
「じゃぁ、帰ってにゃんにゃんしてくれます?」
俺の言葉に、ニャンッと両手招き猫みたいに手をあげて、唇の両端をつりあげて笑う。
「馬鹿か、犬の買い物とかしにいかなきゃならねぇんだろうがよ」
「犬じゃなくて、トシとゾウですって」
「ポチだ」
往生際の悪い俺は、総司の訂正に、瞬殺でかえす。
「はいはい、土方さんも、一つ一つ総司に食いついてたら、本当に終わらねぇしな」
しばらく、俺たちのやり取りをのほほんと見ていた原田が苦笑しながらわって入る。
そうしてなんとか、引き継ぎを終わらせて、職員室を後にした。


□□□

ドッグフードやら、犬用の食器類、トイレセットなどなどを買って、ついでに持ち運び用のかごを用意して、一度学校へ帰る。
島田から、子犬たちを受け取ると、総司の家へと帰宅した。
近藤さんから許可済みの、犬を放してもいいという部屋で、買ってきたモノを並べる。
「ねぇ、もう開けてもいい?」
総司がいそいそと、犬の入ったかごを触る。
「いいけど、俺は、明日の用意をしに一旦家に帰るぞ」
「はーい。早く帰ってきて下さいよ」
「へいへい。」
そう言いながらも、子犬に夢中な総司は、さっそくとばかりにカゴの入り口をあける。
それを横目で見ながら、俺は一度家へと帰り、再び、総司のところへもどる。

が、何故か、姉貴と義兄がゾロゾロとついてきた。
「総司?」
「何?」
部屋の引き戸を開けて、中に顔を覗き込むと、総司が、子犬たちとじゃれ合いながら、俺の方をみる。
仰向けに寝転がる総司に、子犬がぺろぺろと群がって嘗めるので、ちょっとばかりムッとした。
いやいやいやと、心を鎮めて、言葉を続ける。
「姉貴たちが、子犬見たいっていうからつれてきた」
「ノブさん?」
二人の前ではいい子を通す総司が、よっと体を起こして、寝転んでいた体制から、座った体制へとかえて、こちらを見た。
「こんばんは、総司くん。いいかしら、子犬見せてもらっても」
俺を押しのけて、姉貴が、襖に手をかけて、覗き込む。
その後ろから義兄もひょこりと顔をだした。
「はい、もちろんですよ。わぁ、彦五郎さんもこんばんわ」
「こんばんわ。悪いね、邪魔をしてしまって」
「ええっ、いいですよ、全然。」
義兄は一応、俺と総司の時間をという意味で言ったのだろうが、総司は全くそちらへの意識はないらしい。
「きゃあ、可愛い。何、何?名前とかはもうつけたの?」
どうも、動物が好きらしい姉貴が、総司に群がる子犬を目にすると、キャッと黄色い声をあげて、そちらの方へ、小走りで近寄った。
「はい。えっと、こっちが、飼い主さん募集中なゾ・・・・・・じゃなくて、ポチで、こっちが、これからずっと一緒のトシです」
子犬を抱き上げて、ギュウっと抱えながら言う。
「トシ??」
「トシ」
聞きながら、くくくと笑いをこらえる姉貴と、満面の笑みの総司。
俺は力一杯眉間に皺をよせて、頭をかきむしった。
これでまた、姉貴の中の俺に対するネタがひとつできたというところだ。

「いやん、トシとか素敵すぎるわぁ。だって、歳三さんたら、トシッて呼ばせてくれないのよ。小さい時なんて、トシくーんて呼んだら、喜んでくっついてきたくせに、ねぇ?」
ニヤニヤと姉貴が入り口に立ったままの俺へ顔を向けてくる。
「いつの話だ」
俺はそっぽを向いて拗ねた表情をするしかない。
小さい頃の話をされるのは、すべてに置いて分が悪い。自分の覚えていないことすら、姉貴は覚えている。
へたに歯向かうと、そういう話をどんどん出されるので、いたたまれなくなるのだ。
「おおお、トシくんとか呼ばれてる土方さんを想像すると笑えます」
総司は、姉貴のする蔵出しネタに喜んで飛びつく。
「でしょでしょ、今や、仏頂面の、可愛さのかけらもないけどねぇ。歳三さんが2歳の時なんてねぇ」
「姉貴っ」
そのネタには、思い当たるところがある。
叫んで止めるが、総司がワクワクと拍車をかける。
「えー、なんですか、なんですか」
「家の前の石段で、思いっきりこけて、泣いたはいいけど、勢い良く走りすぎて、今度は私にあたって後ろにこけて」
片方の犬をあやしながら、回想し、姉貴がパンパンと畳をたたいた。
「あはははははは」
次々と姉貴の口からでてくる不名誉な話に、総司は完全にツボに入り、こちらもバシバシと、床を叩いて笑う始末だ。
「そのへんにしておいてあげなさいよ」
と、一応俺を気にかけてくれた義兄がのほほんと言うが、やっぱり顔は笑っている。
俺はどこまでもいたたまれなくなって、部屋をでて、庭先の石段の上で、一人タバコを吹かした。


姉貴たちが帰り、ようやく一段落つく頃、ようやく、近藤さんも帰ってきた。
そして、今、何故か、子犬たちの部屋で、3人川の字で寝ている状態だ。
子犬たちは疲れてすっかり寝てしまっている。
「で、近藤さん、式の日取りとかは決まったのか?」
総司もはしゃぎ疲れたのか、すっかり寝息をたてていた。
「ん?あぁ、ツネさんとも話し合ってな。11月にってことで、用意をしてるよ」
「へぇ」
布団をかぶり、腕をだして天井を眺めながら話をする。
「もちろん、トシも出席してくれるだろう?」
ごそりと、近藤さんが総司をはさんで俺の方をみると、俺も目線だけそちらへちらりと流した。
「そりゃぁ、あたりめぇだ。近藤さんの晴れの日だろ。俺が出席しねぇわけがないだろ」
「はは、そう言ってくれると嬉しいなぁ。トシの方はどうなんだ?二世帯のプランとか、いろいろ考えてるのか?」
最近では、総司がどんどん間に入ってくるので、なかなかこうして二人で話をすることもない。
「ん?・・・・まぁ。とりあえず、見積もりとか、いろいろとってはいるよ。俺たちだけの話じゃねぇし、いろいろ回ってみて、資料が集まったら相談にのってくれるとありがたい。」
ごろりと、近藤さんの方へ体を向けて言う。
「あぁ、もちろんだとも。いやぁ、楽しみだなぁ。しかし、本当に良かったのか?俺としては、トシも総司も近くにいてくれるなら、それより嬉しいことはないと思って、つい、トシの意見も聞かず突き進めてしまったが、予算の事とかも、予定より苦しくなったろ?難しい時はいってくれればいくらでも力になるぞ。」
「まあ・・・な。でもまあ、総司がそれで一番いいってんなら、いいさ。少しくらいは無理くらいするよ。それに、結婚するってことになりゃぁ、近藤さんの財産は、ツネさんのもんでもあるんだし、俺の心配はいらねぇよ。ツネさんの為に、使ってやらないとな」
「はは、そりゃぁまぁ。まぁほれ、返してもらう前提でかすくらいならいいだろう?それにしても、そんな言葉が聞けるとは、それくらい、総司のことが好きということだな」
うんうんと、嬉しそうに近藤さんが首をたてに振る。
「・・・・・・まぁ」
親友にそういう事をいわれると、なんとも照れくさい。

「なんだ、今更照れんでもよかろう」
「いや・・・・その・・・・・・近藤さんはいいのか?」
どうにも顔が見れないので、また天井を向きながら聞く。
「ん?」
何がだ?というふうに近藤さんが首をかしげた。
「いや・・・・その・・・な、総司は近藤さんにとっても弟みたいな大事なやつだろ。それに、俺みたいな同性の男が・・・だな・・・」
どうしたってやはり気になる。
「そうだなぁ。これが他のどこのとも知らない男なら、考えもするが、トシは俺にとっても一番の親友だし、トシなら安心してまかせられる気がするからなぁ」
うーん、といつもの癖のように、頭をかく。
「かいかぶりすぎじゃねぇか?」
「そうかぁ?だってトシはいい加減な事を考えるような男じゃないだろう?ちゃんと総司のこともいろいろ考えて大事にしてることも見ていればわかるしなぁ。まぁ、トシの場合は、少々、考えすぎな時もあるけどなぁ。少々暴走しがちな総司とはいい組み合わせなんじゃないかとな。まぁおかげでトシが振り回される事になるんだろうが」
近藤さんが笑いながら体をうごかす。
「うっ・・」
的をいていて、より一層照れくさい。
「ははは。いやはや、しかし、そうか。総司ももう卒業だしなぁ。今年の文化祭は楽しみだな」
近藤さんは、明日に思いをはせて、あおむけに腕を組む。
「うーん」
それはそれで俺の中の大問題だ。
「トシと総司の両方を舞台で見れるとは。いやぁ、本当に楽しみだ」
「いや、近藤さん・・・できれば見ないで欲しいんだが」
切実に、お願いしたい。
身内が見てるのはもひとつ痛いと思ってしまうのだが。
「なにを言う。これを逃すなんてもったいないことは無いぞ。俺は、何を置いても見に行くぞ。写真もとらねば。山南くんと源さんに頼んでな、一番前の席を押さえてもらう手はずになっているのだ」
「近藤さん・・・・」
もはや逃げ場はないらしい。
しかも、確実に、観客の中に源さんと山南さんまでくることが確定されてしまっている。
あまり考えたくないので、「かぼちゃが三人」と、胸の中でつぶやき、布団を頭からかぶって隠れた。
寝るのだなと判断した近藤さんが、「おやすみ。」と言った声が聞こえた。

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プロフィール

十六夜桜(通称:野良猫)

Author:十六夜桜(通称:野良猫)
野良猫と申します。
あっちでは薄桜鬼、こっちでは白華の檻と乙女ゲーに踊らされております。

お読み下さい

※当blogにある画像及び、小説等について、転載及び、個人で楽しむ以外の使用はご遠慮下さい。

※タイトル欄や本文に<R18指定>と記載されているものにつきましては、教育上宜しくないと思われる内容を含むおそれがありますので、18歳未満の方の閲覧を禁止させていただきます。ご了承下さい。


※SSLシリーズでは、特に公式にない設定をかなり、作っております。
おい!って思われるだろう設定もあるかもしれません。 特に、たとえ、史実をほのめかす内容があったとしても、史実の隊士たちや、御家族にも、全く無関係の創作であると強く主張致します。
公式を離れた内容に抵抗がある方にもお勧めできませんので、宜しくお願いします。 それらもふまえたうえで、それでもOKという方のみ、ご覧下さい。


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