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薄桜鬼オンリーイベント【ゆきさくら 第五章】

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2013/05/26 Sun  23:04
薄桜学園文化祭-1 【文化祭準備 土方×沖田】

R18指定BL小説です。
18歳未満の方、またBL要素を含む作品が苦手な方はご遠慮下さい。


お待たせしました。SSL9月開幕です。
9月のお話は、土方×沖田サイドと、不知火×原田が交互に入り乱れて繰り広げられておりますので、ご注意下さい。
全部で13話くらいの予定になっています。
それでは、宜しくお願いします。



薄桜学園文化祭-1 【文化祭準備 土方×沖田】

1ヵ月前・・・
「おーい、土方さん。採寸入ってくれ」
「あぁ」
原田に呼ばれ、俺は家庭科室の一角に作られた採寸スペースへと足を踏み入れた。
原田がテキパキと動き、生徒たちに指示をだしている。
「失礼します」
メジャーをもった生徒が、指定された場所を順にはかっていく。
その横で、総司も採寸をうけていた。
「沖田さん、動かないでください」
メジャーをもった山崎が、かな切り声をあげた。
俺が入ってくるやいなや、そちらにからもうと動く総司のせいで、うまく採寸ができないのだ。
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「もう、早くしてよ。」
人の苦労など心にもとめない総司は、山崎をせかすばかりだ。
むしろ、相手が山崎なので、余計な嫌がらせもかねている気がする。
「こちらだって急いでいます。早くすますためにも、動かずじっとたっていて下さい」
だからといって、山崎も負けてはいない。
「もう、五月蠅いなぁ。僕は土方さんとラブ・・もがっ・・・・」
イラッときた総司が、文句をかねていけない発言をしようとすると、山崎が勢い良くその口をおさえた。
「ちょっ、何するのさっ」
モガモガと暴れながら総司が山崎をたたく。
「不謹慎な言動をしようとするからです」
ぎゃぁぎゃぁと問答をする二人を見ながら、俺は深くため息をついた。
生徒が指示をだすままに、はかりやすい体勢をとる。
胸囲をはかる為、一人の生徒が前から、背中にかけて腕をまわした。
と、向こうから大きな声が飛んでくる。
「あーっ!!ちょっと谷口っ、僕の土方さんに抱きつくってどういうことっ」
「えええっ」
谷口という名の生徒がメジャーをもったまま、ビクリとはねた。
それと同時に山崎がげんこつで総司を殴るのが見える。

「気にするな谷口、あいつにかまってると、さっぱりおわらねぇぞ。さっさとはかっちまってくれ」
「は・・・・はぁ」
生徒は困った顔で首をひねった。
沖田のこういう反応には皆なれているので、言った言葉の意味など考えないが、なんともやりにくくて気の毒な話だ。
さらに向こうでは、原田からわたされる採寸資料を、不知火が面倒くさそうに、パソコンへ打ち込んでいた。

ことは、4か月前の話だ。
修学旅行に出かける少し前、6月の前半だ。
薄桜学園の学園祭は少しばかりかわっている。
どの学校とも同じように、クラスの出しものや、各部での出し物などが催されるのだが、その中で、2クラスだけ、教師と合同で演劇をするというおかしな企画があるのだ。
ひとえに、校長である近藤さんの祭り好きのなせる業と言おうか、近藤さん自身も生徒たちと文化祭を作り上げる楽しみを味わいたいとか、そういうちょっとした我儘・・・・いや、それは言ってはいけない約束だが///
まぁそういう趣向により、毎年行われている出し物なのだ。
合同劇をするクラスを決めるのは、くじによって行われる。
しかも、教師や、クラス委員が引いて決めるくらいの規模でよさそうなものなのに、生徒全員がくじをひき、当たりの赤い玉を数多くひきあてたクラスが選ばれることになっていた。
ちなみに、同じ数のクラスが重なった場合は、これまたそのクラス全員参加のじゃんけん大会に持ち込まれることになる。

そして今年、そのじゃんけん大会まで落ちいったすえ、選ばれたのが、永倉率いる3年1組と、原田が率いる3年2組なのだった。
基本、題材選びから、小道具、大道具に衣装まですべて自分たちで作るのが習わしだ。
もちろん、教師も全面的に手伝う。
こうして、3年に集中することも珍しいのだが、受験勉強のかねあいもあり、大変ではあるが選ばれたからには、くつがえすことはできない。
何やら今年はオリジナルの話をするようだが、この劇の主役に、総司の策略によって主役をおしつけられた俺である。
そして、敵役には風間が選ばれているらしい。
全く卒業せずに3年に居座っている風間だが、実のところ、かつては俺と同級生でもあり、ちょっとした因縁の舞台になりそうである。

採寸を終え、俺が構内の喫煙所で煙草を吸っていると、総司がひょこりと顔をだした。
「総司、入ってくるなよ」
俺がそう言うと、顔をしかめて沖田が外に顔を引っ込める。
俺は急いで煙草の火を消すと、喫煙室の外にでた。
それでも、ついた匂いはしばらくは消えない。
総司は、その匂いに、鼻をつまんで嫌そうな顔をした。
総司は喉や肺があまり強くなく、すぐ喘息を起こすため、煙草の煙は論外なのだ。
俺も、総司と一緒の時はヘビースモーカーであるにも関わらず、煙草を吸うのを我慢している。

「クラスの打ち合わせは終わったのか?」
吸っている本人には、あまり匂いがついているということも分からないが、そんなに臭うのかなと、思わず、服の袖の匂いをかぐ。
「一応ね。でもまだ衣装のことでもめてるけど」
総司が、持っていたプリントで、バッサバッサと俺をあおぐ。
「ぬけてきて良いのかよ」
俺は、すみませんねぇとばかりに窓際によると、廊下の窓をあけて風にそよぐ。
「いいの。っていうか、色合わせて検討したいからって土方さんを呼んで来いっていわれたんだもん」
まっ、許してあげましょうとばかりに、総司が、横に並ぶと、窓辺にもたれてのんびりとした口調で言う。
「それを先に言えよ」
総司の行動とは逆に、俺はあわてて、寄りかかっていた窓から離れて総司を睨んだ。
「だって、そんなことより、土方さんと二人きりでいる方がいいもん」
と言いながら腕をつかむ。
「馬鹿言ってんじゃねぇよ。いくぞ」
俺はそんな総司をパコンと小さく、こついて、総司掴んだ腕をひっぱる。
「もーう、いいじゃないですか、もうちょっと話してからでも」
嫌だとばかりに総司が、腕を俺の力に反発してひっぱる。
「その分、帰るのが遅くなるぞ。」
俺もまけじと、総司の腕をひく。
「そうだけどっ」
ぶーぶーと抗議しながら、やがて、総司を捨てて先を歩きだす俺を追いかけてきた。


□■■

教室に戻り、扉をあげると、生徒たちに囲まれながら、色見本を広げていた原田が顔をあげる。
ちなみに、それぞれのクラス担任は、衣装係と、大道具係にわかれて率先することなっているが、今年は、原田が衣装班を、新八が大道具班をうけもつことに決めたらしい。
まぁ、適材適所だ。
家事全般を得意とする原田がいれば、何かと安泰だし、力仕事が必要な大道具班にあっては、新八のような体育会系がオラオラで動かす方が統率がとれていい。
「おっ、土方さん。わりいな。」
顔をあげた原田が手招きするので、そちらの方へと近づいていく。
「色がどうのって聞いたが」
横にたって、原田の手元を覗き込むと、役付きの生徒達の名前と、何やら、いろいろ、色の名前のメモが連なっている。
「あぁ、それなりにな、バランスも必要だとは思うが、役者にさっぱりにあわねぇ色ってわけにもいかねぇだろ。それでちょいな、何枚かあわさせて欲しいんだ。斎藤、悪いが、それをとってくれ」
原田が置いている道具の側に立っていた斎藤に指示をだす。
斎藤が、てきぱきと指示に答えて色見本をつかみ、原田にわたす。
「はい。これですか?」
「おう、それそれ。」
原田はそれを受け取ると、机の上に並べて、何枚か色をチョイスする。
生徒達も、これだあれだと、原田に群がる。
「役的に、総司との絡みが多いだろ。だから極力かぶらない感じでなーっとこのあたりの色がいいかとは思うんだが、似合うかどうか」
「こっちの案も、原田先生」
原田が、俺に色紙をあわせると、横で生徒たちも何通りか作ってわたす。

「で、最後がこれな。第一候補なんが」
とだされた色を見て、俺は一瞬こめかみをひくりと動かした。
一枚は、着慣れた黒でよかったのだが・・・・。
「赤・・・・・・・」
思わずぼそりと零す。
赤に黒に、まるでどこぞのバンパイアだ。
「鬼ってこんな派手なのか??」
聞いたところの配役は、台本は作成途中だが、茨木童子という、日本の昔話などにでてくる鬼だという話を聞いていた。
「えー、いいじゃないですか、僕一押しのコーディネートですよ。」
総司が、ワクワクと身をのりだして、顎に手をおきながら言う。
「あー、まぁ一応主役だしな、それなりに目立つ色って話になったんだが、総司の衣装がけっこう明るい感じに決まったもんで・・・・な」
俺の反応はおおかた予想をしていたらしい原田が、苦笑しながら総司の言葉に続ける。
「その・・・インパクトというかな」
総司を睨む俺の間に入り、原田が一応フォローを入れる。
「茨木童子って言ったら、赤です赤。漫画とかでそんな感じに書かれてるもん」
ノリノリの総司は、立っている生徒たちの横でちゃっかり椅子を置いて、両手でピースサインをチョキチョキと動かした。
「そりゃぁ・・白拍子の衣装が赤袴だからだろ。てか、あれは漫画のイメージであって」
大半が漫画とゲームでできている総司の脳みそに、低い声で言うが引く気はゼロだ。
「いいじゃないですか、舞台なんてどうせ漫画みたいなものですもん。何を置いてもインパクトですよ。今回はそれでなくても創作なんだし。土方さんが赤とか、超インパクトじゃないですか。赤に黒で、悪徳大王みたいで」
くくくと、一人受けて笑う総司に、【悪徳大王】に反応した斎藤と山崎が同時にぎろりと睨んだが、総司には届かない。
「てめぇ、誰が悪徳大王だ。だいたいな、お前だって!!」
言いながら、ガタンと机をならす。
「あー、土方さん、落ち着いて・・・な」
放っておくと危ないと察した原田が、横から俺をまぁまぁとなだめる。
つい、ここが学校の、しかも、一般生徒のいる教室だということを忘れて、いつもの調子で総司に絡んでしまった。
しかし、いまや生徒たちは、ああまたはじまったなくらいののりだ。
総司のせいで、去年のハロウィンあたりからすっかり鬼の威厳が吹っ飛んでしまっている。
相変わらず皆、触らぬ神にたたりなしとは思っているが、全く怖がらなくなってしまった。
「あっ、黒が嫌なら、白って案もありますよ。それはそれで、すこぶる目立ってばっちしです。」
ほれほれと、総司が、白い神を掴んでひらひら動かす。
教室では、俺が上手にでれないことをわかってやっているからたちが悪い。
「いらんお世話だ」
俺は、鼻の上に皺をよせながら、はぎしりをしつつ、総司を睨んだ。
「まぁ、その、いろいろ考えた結果な、それが一番しっくりくるかって話になって、できれば了承して欲しいんだが・・・・な。」
原田は横で困った顔をしながら頭をかく。
色案をあーだこーだと意見をだしあって決めたのだろう生徒たちも、横でうんうんとうなづく。
たしかに、他の案として並べられた中にも、必ずといっていいほど赤が入っていた。
総司だけを相手とした家での話ならともかく、この状況で嫌だとすねれば、間違いなく、たんなる大人げないだだっ子だ。
教師として、さすがにそんな事はできない。
どうにもこうにも、ひいて了承するしかないらしい。
「いいようにしてくれ」
そう言うしかなかった。
それを聞くと、生徒たちもホッと胸を撫で下ろす。
総司が横で、また、ピースをふたつ、わきわきと動かしていた。


□□□

そんなこんなで、ただ今、9月。
文化祭は10月の始め、まだ日はあるものの、俺は机の前で頭を抱えていた。
文化祭の劇の台本に、とりあえずひかれた蛍光ペン。
腹がたつほど、台詞が多い。
主役なんて、教師じゃなくて、生徒にやらせろよ!と一人思いながら台本の上をペンで叩く。
なかなかもって、頭に入ってきてくれない。
まだ、今は、台本を持って稽古をしているから良いが、はずすことになって、覚えていないでは示しがつかない。
うーむ・・・とまた、台本とにらめっこをした。

昼から総司が来る事になっている。
本を買いに行きたいから車をだせと言われていた。
これが、参考書を買いに行くのなら喜んで車をだしてやるところだが、ゲームの攻略本と、新選組の雑誌がでるとかなんとか、あきれて言葉もでない。
受験生が、9月にゲームの攻略本・・・・・教師として、頭をかかえずにはいられない。
とりあえず、めざす学校はなんとか決めさせて、何冊か、参考書をみつくろって、買ってやったが、やってるのかどうかは謎だ。
「土方さんのいない時にしてる」
と総司はいうが、本当に謎である。
また腹が立つのが、それだけ遊んでいるくせに、テストは本当に良い点数をとることだ。
記憶力と、テストのヤマを読む事にたけているというべきか、とにかく要領が良いということだ。
心配するだけ損なのは重々分かっているが、それでも心配せずにはいられない。
そう思いつつ、また、台本とにらめっこをする。

『くそっ、さっぱり頭に入ってこねぇな』と、総司が一押しと写真立てにいれていったツーショット写真を指で倒す。
ぐりっと指先で、総司の顔を押して、ハァと一つため息をついた。
本当に、こ憎たらしいのに、確かにまた、この写真に写っている顔がもひとつ可愛い・・・・・。
と、一瞬見とれて、ハッとして顔を上げる。
パンパンパンと手のひらで顔を叩いた。

そうこうしていると、窓の外から、道路をかける足音がする。
椅子を転がして、移動しながら、開け放っていた窓の外を覗き込む。
用意ができたらしい総司が、自分の家から家へとかけていた。
今日はまた、すこぶる可愛い装いをしている。
Vネックのシャツに、パステルカラーの黄緑色半袖パーカー、ハーフ丈の赤いパンツ。

『なま足だしてんじゃねぇよ!!』
とつぶやきながら、総司に見つからないように、顔をひっこめた。


迷う事無く走ってきた総司が、勢いよく、呼び鈴を鳴らす。
ピポーンと下でインターホンの音がした。
あまりに勢い良く鳴らしているので、ピンポンのンは全く聞こえなかった有様だ。
だいたい、こんな押し方をするのは、総司くらいのものなので、姉貴も、すっかり慣れてしまっている。
インターホンに出る前に、下から姉貴の声がした。
「歳三さん、多分総司くんよ」
と一声叫び、インターホンにでるくらい、当たり前になっている。


「歳三さん、やっぱり総司君だけど、どうするの?すぐでかけるのかしら?それともあがってもらうの?」
「すぐ行く」
姉貴の声に上から声を返すと、用意しておいた財布と鞄をつかむ。
それから、机の上に転がしてある車のキーを指にひっかけた。
革製のキーケースに包まれた鍵には、修学旅行の時、総司につけられた、壬生寺の誠のキーホルダーがついていた。
階段を降りると、姉貴が玄関で、総司と話している。
「待たせた」
そう言って、玄関の脇からおりて、靴を履く。
「あっ、ねぇねぇ、歳三さん。お買い物の帰りに、店に寄ってくれない?」
総司を追い抜いて、玄関の戸に手をかけると、姉貴が慌てて呼び止めた。
「店?いいけどなんで?」
眉間に皺をよせながら、首だけ後ろに振り返る。
「来週から新作ケーキの発売日なんだけど、その試作品、昼から、最終で作る予定してるから、持って帰って総司くんと、近藤さんに」
「わぁ、新作ですか???何何?」
姉貴の言葉に、総司が喜々として目を輝かせる。
「パンプキンケーキと、スイートポテトを使ったケーキと、二種類あるのよ。今年はちょっと、こだわりのデコレーションをしたりもしてるから、ぜひ感想聞かせてね」
いい子だわぁと喜ぶ姉貴が、鴨居の下に立っても背の高い総司の頭に手を伸ばして頭をなでる。
「もちろんですよ。楽しみーっ!!」
機嫌良く触らせている猫のように、ふふふと頭を差し出す総司に、ハアッと小さく息を吐き出しながら、俺は玄関口にもたれて、頭をかいた。
「ふふ、ね、歳三さん、頼んだわよ」
可愛いわぁと、総司をもふもふすると、姉貴が念を押すように俺に言った。
「へいへい」
テンションの低い俺は、ニコリともせずに、玄関の戸をあける。
「もうっ、ちょっとは、笑顔で快くわかりましたって言えないものかしらね」
姉貴は唇を付きだして言うが、どうせ可愛くない俺は、やっぱりニコリともせず、冷たく言った。
「言わねぇよ」
「可愛くない子ね」
間髪おかず、姉貴が返す。
「可愛くなくてけっこうです。総司、行くぞ」
つき合ってられんっと、今度こそ、扉を完全にあけ、総司をせかして外に出る。
「はーい」
総司は姉貴と目配せをして、『ねぇ』と舌をだして意気投合しながらも、俺の方に視線をむける。
「全く、万年反抗期なんだからっ。じゃあね、いってらっしゃい」
姉貴は、腰に手をあてながら方をゆすると、総司に明るく笑顔を向けた。
「行ってきます」
総司が元気よく手をあげて返事をすると、すでに、玄関の外にでている俺の後ろを追いかけてきた。


車に乗り込み、カーナビの電源を入れる。
「で?どこの本屋に行くんだ?」
ピッピッと画面を押して、設定画面を開く。
「えっと、○○百貨店のとこの。あそこのねぇ、新しくできた甘味処がぁ」
「本屋に行くんじゃねぇのかよ」
予定にない話を始めようとする総司に間髪いれずつっこむ。
「行きますよ。その後でー」
しなっと総司が、前で腕をかえしながら、ちょっとばかり、可愛い仕草をしてみせる。
「おごってくれるのか?」
これに負けてはいかんと、俺は全く総司の意図はわからないなと言う風に素で返す。
「そんなはずある訳ないじゃないですか。やだなぁ土方さんてば」
あははーっと笑い、さらに頭を俺の腕にすりつける。
「大丈夫ですよー。割引券は持ってきました。」
しなしなとくっついたまま、えっへんと胸をはって、鞄から取り出したクーポンを見せる。
「あぁ、そーですか・・・・ったく、いつでもなんでも、俺の財布から金がでると思うなよ」
そう言いながら、やはり動じず、百貨店の位置情報を入れる。
本屋なら近くにあるのに、わざわざ車をだせというからには、何か絶対狙いがあるとは思っていたが、やっぱりだ。
「えー、でも、食べさせてくれるでしょ」
ふふふんと、最大級可愛い笑顔で、首をコテッと横に傾けて、上目遣いに俺を見る。
しばらく、真顔の俺と、しなしな媚を売る総司の視線がかち合った。
「ったく、・・・・さっさとシートベルトを閉めやがれ」
総司にこれでかかられて、未だ勝てた試しがない。くっそ!と思いながら、了承をのべる。

「うわーい♪」
了解をとった総司が破顔して、シートベルトをひっぱった。
安全を確認すると、アクセルを踏んで走り出す。
車で30分くらいのドライブだ。
勝手知ったる総司が、ダッシュボードをあけて、CDをあさり、カーステレオにつっこむ。
「ねぇねぇ、土方さん。劇の台詞覚えました?」
選曲ボタンをおしながら俺の方を見る。
「今必死で覚えてる。てか、おまえはやってるのか?勉強もだが。」
前を向き、ハンドルを握りながら、横目で総司を見ると、ブーッと唇をだして、息を吐き出す。
「また勉強いうし。やってますよ。一応、適当に」
「適当にってなんだそれは。」
その話は聞きたくない総司は、わざと、ガチャンガチャンと、ダッシュボードの中のCDを音をならしながら動かした。
それから、自分の鞄の中をあさる。
「いいじゃないですか。それよりも、あっ、あったあった。この前言ってた古文の本、あったって近藤さんが」
鞄の中から見つけ出した本を、ジャンッと前につきだしてみせる。
「まじか?」
それには、俺も少しばかり心が動く。
「うん、これでしょ?」
ほらっ、とさらに総司がよせて見せる本を、俺はちらりと横目で確認する。
「それだ、間違いねぇ、よくあったな。」
声がはずむ。
「この間、大きい本屋に行ったときに見つけたって。こんなののどこが面白いのか全然わからないよ」
総司はそういいながら本を胸元に戻すと、ぺらぺらと中をめくって見る。
「なんだよ、面白いじゃないか。古くからの息づかいを感じつつだな、漢字に秘められた・・・」
かなり欲しかった本なので、思わず語りたい気になるが、総司のぼやきに阻まれた。
「えー、こんなの、漢字の羅列にしか見えないし、レ点だのなんだの、普通に国語でいいじゃない。新選組の本とかの方がよっぽど面白いよ。古文より幕末だよ。」
うーんと、まだ、中をめくって首をかしげる。
「幕末が面白くないとはいわねぇけどよ」
信号が赤になり、ブレーキをふみながら、総司に答えた。
「あっねぇねぇ、今度、新選組の映画あがあるんですよ。」
話がすぐかわる総司の話は、どんどんと、次へと進む。
「新選組のっていうか、アニメだろそれ。姉貴が言ってた」
姉貴も好きらしいアニメの話だ。
最近それの同人ばっかり描いてるから、俺もちょっとくらいは知っている。
「そう、それそれ。一緒に行きましょうよ。」
「アニメは嫌だ、近藤さんとでも行ってこいよ。あの人はそういうの気にしネェだろ」
信号が青にかわり、また車を走らせる。
「そうだけどー、近藤さんと行っても、暗闇でイチャイチャできないもん。」
「映画館はイチャイチャする所じゃねぇし」
なんでそうなるっと、つっこみを返す。
「えーだって、デートの定番じゃないですか。手をつないで見たりしてるじゃないですか。」
ええっ、と総司が身を乗り出して、喜々として答える。
「はぁ?お前な、いつの時代のデートだよ。」
「漫画とかゲームでもあるもん」
「百歩譲ってあるとしても、アニメでそれはねぇだろ。せめて恋愛映画とかもっとあるだろうが」
わけがわからんと、返すと、総司が前から、体をねじって、下から俺の顔を見る。
「だって、恋愛映画とか、土方さんみないじゃないですか」
「アニメだって見ねぇよ」
「僕は見たいもん」
「どういう理屈だそりゃぁ。」
ポンポンと会話が行き交う。
「えーじゃぁ、DVDでたら買って下さい」
映画を見るでは、話が動かないとみた総司が、今度は別方向から攻めてきた。
「却下、俺はなんでもでてくる自動販売機じゃねぇ」
ここで甘やかしてはならないと、俺も少しくらいはがんばりを見せる。
「じゃあ、映画のチケットは」
キョンッと表情をかけながら、体を勢い良く傾ける。
「却下。近藤さんにだしてもらえ。俺はださねぇ」
可愛さでせめても無駄だと、冷たい声で返す。
「ケチ」
ブウッとまた唇をつきだす。
「ケチでけっこうだ。」
カーブにさしかかり、ハンドルをきりながら、フンッと俺は違う方を向く。
「むぅ、じゃぁ本買って下さい。ゲームの原作の小説でるやつ」
しぶとい総司にハアと息を吐き出す。
「値段による」
ここら辺で、妥協しておかないと、今度は言い合いの喧嘩になる。
総司との駆け引きは、俺もついつい熱が入るので、駆け引きが難しい。
「やった、あのね、1500円で上下巻」
勝った♪という風に、総司が明るい声で情報を伝えるが、俺は頭の中で、計算をする。
「高い。上か下のどっちか一冊なら買ってやる」
「えー」
ええっ、と総司が身を引いて、頭をつきだした。
「いらねぇんならいい。却下」
フンッと俺もそっぽをむくと、総司が頭の中をめぐらせなら、うなり声をあげた。
「むー!!じゃぁ上巻だけでいい。そのかわり、今日ガチャガチャ3回やらせてよ。こないだのやつ。」
「2回」
まだ、ものをふっかけてくるかっと俺も、眉間に皺をよせる。
どこまで続くかと思ったが、今日はさすがに、総司の方が根負けしたらしい。
「・・・・・まぁいいか。じゃあ二回。」
「よし」
交渉成立で、ちょっぴり満足した顔をして、ポップな声で総司が笑顔を向ける。
「本、今日予約していい?」
「あぁ」
そう言っているうちに、丁度店の駐車場に到着した。

欲しいという本を購入し、予約を済ませると、甘味処を目指して歩き出した。
休日の百貨店は、やはり人が多い。
そんな中オープンしたばかりの店はもう一つ行列をなしていた。
「これ・・・並ぶのか」
人ごみの好きではない俺は、げんなりと眉間に皺を寄せる。
「並ぶに決まってるでしょ。」
そう言われて2時間。やっと通された席でひとごこちつく。
総司がさっそくとばかりにメニューを開いて、悩みだした。
甘いものの苦手な俺は、さっさと甘くなさそうな醤油もちと抹茶に目を付けて決めてしまう。
「うーん、これも食べたいし、これも食べたいし」
総司がこうしてわざと声をだす時は危険だ。俺は先に釘を刺す事にした。
「先に言っとくが俺が払うのは、甘味ひとつとドリンクひとつまでだからな」
「もー、わかってますよ。最近土方さん、お金に細かすぎですよ。」
見ていたメニューから、口から上だけをだして、べーっと舌を出す。
「あたりまえだろうが、家の増築費がかかってるんだからな。いくらいると思ってるんだ?家具も買わねぇわけにはいかねぇし、ローンを組むにしてもだな」
「はいはい。」
適当に流さないと、俺のぐちは長くなることを知っている総司は、適当にあしらいながら、メニューを見続けている。
全く身を切らない総司は、どこ吹く風の人ごとだ。
やっと決めた総司が、机に置かれたボタンを押す。
せわしない中、とんできた店員に、注文しても、まだ楽しげにメニューをチェックしてた。

「で?文化祭の段取りとか、ちゃんと決まったのか?夏休み前も散々もめてたみたいだが」
「一応、決まったみたいですよ。」
「一応って、自分のクラスの出し物なんだから、少しくらい興味をもてよ」
運ばれてきたお茶を口に含みながら、話を続ける。
「いいよ、別に、僕が用意するわけじゃないもん。」
「おいおい、で?衣装とかはどうするんだ?さっぱり話もこずに、夏休みになっちまったが。」
「あーそれはサノさんがしきってるから。大丈夫だと思うよ。こないだも、布とか買いに行ってくるつてメールきてたし。問題は大道具でしょ。なんたって、しきってるの新八さんだし。資材集めとか交渉関係、結局サノさんがしてるって、愚痴メール来てたよ」
総司もお茶をすすりながら腕をくんで話を続けた。
「やつに金関係のことをまかすのだけは、問題ありだからな。作業が始まったら、本領発揮するんだろうがな」
「まぁねぇ」

丁度いい具合に運ばれてきた抹茶ミルクパフェに総司がスプーンをつっこむ。
俺も醤油もちを自分の方へひき寄せて、箸をつかんだ。
総司が一口目を口につっこんで、幸せそうな顔をする。
いったいどうなる事やら、まだまだ準備は始ったばかりだ。

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プロフィール

十六夜桜(通称:野良猫)

Author:十六夜桜(通称:野良猫)
野良猫と申します。
あっちでは薄桜鬼、こっちでは白華の檻と乙女ゲーに踊らされております。

お読み下さい

※当blogにある画像及び、小説等について、転載及び、個人で楽しむ以外の使用はご遠慮下さい。

※タイトル欄や本文に<R18指定>と記載されているものにつきましては、教育上宜しくないと思われる内容を含むおそれがありますので、18歳未満の方の閲覧を禁止させていただきます。ご了承下さい。


※SSLシリーズでは、特に公式にない設定をかなり、作っております。
おい!って思われるだろう設定もあるかもしれません。 特に、たとえ、史実をほのめかす内容があったとしても、史実の隊士たちや、御家族にも、全く無関係の創作であると強く主張致します。
公式を離れた内容に抵抗がある方にもお勧めできませんので、宜しくお願いします。 それらもふまえたうえで、それでもOKという方のみ、ご覧下さい。


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