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薄桜鬼オンリーイベント【ゆきさくら 第五章】

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2013/02/24 Sun  18:41
『まずは一勝、好き過ぎて攪乱す-2』(不知火×原田 薄桜鬼SSL)

R18指定BL小説です。
18歳未満の方、またBL要素を含む作品が苦手な方はご遠慮下さい。




『まずは一勝、好き過ぎて攪乱す-2』(不知火×原田 薄桜鬼SSL)

□■□-2

おばけ屋敷にたどりつくと、いかにも怖そうな外装が二人を出迎える。
かなり人気があるようで、カップルや家族が列を作っていた。
そこに男二人は、なかなかに目立つ。
そしてやはり原田の容姿は、女性の目をこれでもか、とばかりに引きつける。
不知火が横で睨みをきかせるが、自分も相当見られている事には気づいていない。
髪は長いし、ガタイもそれなりに整っている。
顔だって悪くはない。
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「不知火、おまえ、いちいち周りに睨みをきかすなよ」
「だって」
そういいながらもまた一人、目線をむけていた女性に目をつりあげた。
「あのなぁ、余計に目立つっつうの」
渡されたパンフレットをまいて、原田がパコンと不知火のあたまを軽く叩く。
「なんで?」
フンフンと周りを警戒しながら原田に対して首をかしげる。
「ここにいる全員が、俺を見てるわけではねぇぞ」
「そんなことねぇぞ」
原田の指摘に即答で返す。
周り皆が原田を見ている。
不知火の中では。
「そんなことあるっつうの。ちょっとくらい自覚しとけ、お前も」
不知火の腕をひきコソコソとつっこむ。
「何が?」
自覚ゼロの不知火はさっぱり何を言われているかわからない。
ハァッと原田がため息をこぼす。
「救いようのない馬鹿だな」
やれやれと首をふる。
「えーなんで」
「なんでって、お前だってどっちかっつうとけっこういい男だと思うぞ?」
詰め寄る不知火に原田は言うが、不知火はすっかり違う方向に意味をとらえた。
「何それ、惚れたなんとか?」
「そんなことあるかっ!!」
馬鹿め!とにへら笑いをする不知火の頭を今度は手刀で叩く。
「だって、原田のが100倍いい男じゃねぇか」
不知火からすれば、どう考えても自信の言い分が正しい。
断固として、それ以外はありえないのだ。
「それこそ、惚れたなんとかだっつうの」
駄目だこりゃと、また原田が首を振った。

そうして話しているうち、いよいよ、入場ゲートにたどり着く。
怖くないと言ってみたものの、やはり、こういう場所に入ると少しばかり警戒してしまう。
不知火ばかりでなく、原田も同じだ。
一瞬二人、顔を見合わせたが、ただ、お互い意地をはって、怖くないふりをした。

おどろおどろしい音と、演出が続く。
ぼんやりとしか明かりのない中を、一人ひとつ、電球式の和提灯を持って歩く肝試しスタイルだ。
なまじ、暗く、ぼんやりとしか見えないように作られ、手にした提灯の近くだけが浮かび上がる為、かなり恐怖心を誘う仕掛けだ。
二人はそろりそろりと、手を上下させつつ、周りを見ながら前へと進む。
「おい、原田、なんだかんだ言ってびびってるだろ」
そぞろ歩く姿に強がって不知火か聞く。
「お前には言われたくない。お前の方が怖いんだろう?」
原田も不知火も、どこかおっかなびっくりで動きがぎこちない。
互いに、多少びびっているのは明らかだ。
「こ・・・怖くなんかねぇし」
不知火が答える。
「声がどもってるけどな」
「これは、・・・ちょっとかんだだけだよ」
「そうかぁ?」
ある意味、話ていないと落ち着かないというのもあって、二人突っ込み合いをしたりする。
怖けりゃいっそ、周りを照らさず、ひたすら前だけむけばいいのに、いろいろとセットが組まれているとつい見てしまうのが悲しい性だ。
結局、へんな好奇心とともに、あたりをいちいち照らして見てしまう。
オドロオドロしい装飾から、時折、火の玉が現れたり、気を抜くと、横からお札を数える女が現れたりする。「うわっ」
いきなり現れたそれに、原田が思わず小さく飛び跳ねて横にのけた。
ほら怖いんじゃねぇか、と思った不知火が原田のあげ足を取ろうと口を開こうとした瞬間、首筋に何かが触れた。
「っ!!うわああっ」
思わず声をあげて、横に飛び退く。
原田と不知火が目を見合わせて、お互いを凝視し、何事もなかったかのように前へ進んだ。
互いに怖い気持があるから、へたに突っ込んでは突っ込み返される。
言った後ならダメージが大きい。
次に何かがあったら、相手に、何を言われるかわかったものではない。

と、前を行くのであろう女の子の悲鳴が木霊して、二人は思わず足を止めてまた、目を見合わせた。
「なんだ?」
原田が振り向く。
「何かあるのか?」
これから進もうとする先の事だ。
余計に二人、身が固くなる。
そして、ゆっくりと慎重に次のゾーンへと足を進めた。
そろりそろりと二人で進む。
時折動く小道具などの動きや音に驚かされはするが、叫ぶほどでもないじゃないかと、少しばかり胸を撫で下ろした瞬間、ヌウッと目の前に艶かしいお化けの顔が現れた。
一瞬二人は、立ち止まって凝視したが、次の瞬間、お化けの手が伸びる。
「・・・・うっ・・わーーーーーーっ」
二人そろって絶叫をあげると、互いに屋内を走り出す。
後ろから、しばらくの間、ゆっくりとその影が追いかけてきて、恐怖心を最大限まで引っ張りだす。
なんとか振り切って外にでると、提灯を受付にかえし、二人して、膝を押さえた。
「やべぇ、怖えーっ!!」
不知火が、声を漏らす。
「こっわぁ」
その横で原田も同じくそう零す。
見るも無惨な二人の状態に、もはや隠す必要すらなく、恐怖を共有して、心を納めようと思った結果だ。
「あなどれねぇな、今時のお化け屋敷・・・」
怖くないと張り合っていた二人だが、一緒に同意して思わず笑う。
「なんせ、総司のやつが一枚かんだって話だからな」
息を整えながら、原田が言う。
「なんでそこで沖田・・」
落ち着け心臓!と胸元をパタパタさせながら不知火が聞く。
「いやほら、佐藤さんとこのアトラクションで、ちらっとこんなのあったら怖いよねーって総司が言ったのを実際に採用したらしいぜ。土方さんがぼやいてた。意地の悪い嫌がらせばっかり働きやがるって」
怖かった分、笑みが漏れる。
「うっわぁ、それおもいっきり納得するは。俺、今すごい浮かんだんだけどよ。どうせ、あの二人もこのお化け屋敷きてるよな?」
「だろうな。総司の案が通ったって聞いたら、確実に、総司が行くっていうだろ」
落ち着いて、乱れた服をととのえつつ、歯を見せて原田が笑った。
「で、その案を知らずに土方さんがつれてこれてたりしてよ。あの人の絶叫してる図が浮かぶ」
不知火も歯をだして面白そうに言った。
「不知火も思うか?俺も思った。土方さんて、総司にかかると、急に油断する上に、ダメ人間になるからな」
「だろ?最近俺もちょっと、わかってきたぜ。たんなる鬼教頭だと思ってたけどよ。あの残念なところを他の生徒が知ったらひっくりかえるぜ」
想像するだに面白い、前なら全く想像しなかったが、望む望まないにかかわらず、絡むことが多くなった今では、むしろそっちの方が想像できて面白い。
「絶対な。だから、言ってやるなよ」
といいながら原田もさらに想像して、笑いながら答える。
そうしてひとしきり笑った後、顔を見合わせた。
「と、とりあえず、気を取り直して水族館いこうぜ」
「あぁ、心に癒しが欲しい」
「だな」
そして当初の予定の水族館を目指して歩き出した。


□■□

「すっげ・・」
入った瞬間から広がる、水槽のパノラマに、不知火は、小さく声をあげた。
「やばいな・・・こりゃテンションあがるは」
原田もその大きな水槽を見上げながら呟やいた。
写真と見るのとでは、やはり迫力が違う。
ドーム型の大きな海洋空間と、後ろに広がる徳大の水槽が有名なリゾート水族館。
朝昼晩と、時間軸に合わせたライトアップをする事でも有名で、とりわけ、この夜の水族館は、ディープなファンが多いらしい。
常々来たいと思っていたが、やっと叶った。
夜の闇のごとく、深い深いブルーのライトと、その中を泳ぐ魚の群れ。
その深い海に紛れ込んだような不思議な空間は、とてつもなく、心が癒される気がする。

「なんつうか、動けねぇな」
「確かに」
先ほど、お化け屋敷で肝を冷やしたせいか、余計に、ここに広がる水槽の景色が心に染みる。
広がる大パノラマを前に、端の少し暗い場所を陣取って、水槽を眺める。
皆、水槽の中の魚を見るのに夢中で、男同士で一緒にいることを気にされないのもいい。
「やっぱ、海はいいよなぁ。あんまり、人のいないような所で、家から作って、スローライフとかしてみてぇ」
原田が伸びをしながら言う。
「えーっ、海は好きだけどよう、それはちょっとあきねぇ?たまに見るからいい気がする」
原田と違い、むしろ都会じゃないと無理!という不知火が主張する。
「はは、てかあれだよな。不知火は、文明の機器がねぇと生きていけないからな。まぁでも、言っても俺も1週間くらいが限度かな。いろいろ、あるもんに慣れちまってるからなぁ」
コキコキと肩をならしながら、不知火に賛同する。
「だろ?でもまぁ、俺も1週間くらいなら。あ、でも、クーラーと暖房のないとこは無理」
朝のことを思い出すと、絶対に無理だ!と思うのだ。
「あはは、まだ朝のひきずってるのか」
「だって本当に熱かったんだぞ。」
いなかった原田にはわかるまい!と拳を握り、熱弁する。
「そうだろうな、なんせ、血迷った格好してやがったからな。てかどうせ脱ぐなら、水風呂でも入れば良かったのに」
「水風呂??」
言われて首をかしげる不知火は全く思いついてなかったことが明らかだ。
「電気はつかなくとも、断水はしてなかったろ?ぬるい水がでたとしても、どうせ脱ぐなら、入ればちょっとは涼しくなっただろうに」
「・・・・・・・。くっそ、その手があったか。」
「・・・・・・」
原田がポンと不知火の肩を叩く。
顔がバカだなぁと、すこぶる笑っていた。
「おい、その可愛そうな奴みたいな顔するのやめろよ」
「いやぁ、なぁ。非常に可哀そうだ。」
くくくと肩をゆすりながら、いやはやとまた肩を叩いた。
「原田ー」
顔に皺をよせて肩を落とす不知火に、さらにまだ笑いながら原田が歩き出す。
「可愛そうな不知火に塩アイスおごってやろう」
パンツのポケットから財布をだしながら、目標へと歩いて行く。
「塩アイス♪ってこら、原田ー、まじ笑うなっつうの、」
思わず、原田にのせられて喜びそうになりつつ、原田の背中に拳をくりだす。
原田は、不知火のパンチをスッとのけながら、前へと進む。
スカッスカッと不知火の手が、空を切るのを面白がって、右へ左へとはねた。
あげくの果てに、くるっと回った原田の手の平に、おもいっきり顔面をつかまれたのだった。
完全に遊ばれている。
毎度のことながら、原田には勝てない。


アイスを買って、人気の少ない場所を選び、二人で食べる。
塩アイスと言いながら、しばし悩んだ結果、チョコアイスを原田が美味しそうに食べる。
それを見ながら、不知火も一口アイスにぱくついた。
塩アイスは、最近遅ればせながら、不知火がはまっているアイスだ。
甘いものを食べたら、塩辛いものが食べたくなるし、塩辛いものを食べるとまた甘いものが食べたくなる。
そんな絶妙さが、一つで口の中をいったりきたり楽しめる気がして、すっかりお気に入りなのだ。
「うっま」
一口食べて、声をあげる不知火の手から、スッと原田がそれを取り上げた。
「わっ、原田っ!!」
と声をあげるも、そのまま、原田がパクリと一口ほおばる。
そして、これまたスッと手を差し出して、チョコアイスを不知火の口の前にだす。
つられて不知火も一口、チョコアイスをほおばった。
「間接キス」
きわめて自然に原田が笑い、不知火を見る。
「・・・・・・・!!」
不知火は、自分の顔がみるみる赤くなるのを感じた。
原田と、一緒にいればいるほど、余裕がなくなる。
言われないと気づかないくらい、原田はそういう事を普通にするのだ。

差し替えされた塩アイスを手で受け取りながらも、ぼーっと不知火は原田を見つめた。
他の相手が同じことをしたとして、仮に「間接キス」と言われたとしても、不知火はきっと仏頂面の顔で、
『うぜぇ』だの、『気持悪い』だの、『バカか』だのといってのけ、何も気にせず、さっさとアイスを食べるだろう。
しかし、原田に言われると、妙に意識してしまう。
再びおこる間接キスにドキドキしてしまう。
うーむ、とアイスを睨みながら自問自答を繰り返す。
「早く食わねぇと溶けるぞ」
確信的にその反応を楽しむ原田は、余裕な顔でアイスを食べる。
つきあえばつきあうほど、小悪魔度合いがあがってくる。
歩く18禁め!!と原田を心の中で睨みながら、溶けて手にこぼれたアイスを嘗めた。
「そういう仕草もけっこうエロいよな」
原田がそれを見て言う。
「は??」
嘗めた腕をあげたまま、不知火が下から原田を見上げる。
「ん?」
なんだ?と原田がわざと首を傾げる。
「いきなりなんだよ?」
ドギマギとして、本当に手からアイスを落としそうだ。
なんとか握り直して、次の答えに身構える。
「ん?今度不知火を誘うときに使えるかなーってな」
意地悪く笑いながら、自分のアイスを食べる。
不知火と違って、もう、コーンをかじりはじめている。
「いちいち誘っていただかなくても、襲いに行くっつうの」
なんとか取り付くろって、「平常心平常心」と心の中で唱えてから返す。
「と、言いながら、毎日俺の機嫌を気にする不知火くんでしたとさーっだけどな」
手についたアイスを嘗める姿すら、不知火の心をかき乱す。
「うるせぇーっ。だって機嫌悪い時に行ったら、蹴るじゃねぇかよ」
そうして、何度蹴られたかわからない。
「そりゃ蹴るだろ、うぜぇから」
ベェッと舌をだして言う。
「俺にどおしろってんだ??」
「どうせ蹴られるんだから、考えるだけ無駄なんだって。とりあえず、今日はホテルでフルコースだな」
「だーかーらーっ!!盛ってるなら盛ってるって言えっつうの」
本当に、さっぱり自分からしようとは言わない原田だ。
常に、不知火の反応を楽しまれている。
絶対、今まで蹴られたうちの半分以上は、わざとに違いないと不知火は思う。
「やだね」
原田がべーっともう一度舌をだす。
こんな原田を知っているのは、不知火だけだ。
原田にかかわる女性たちなどは、それこそ、絶対こんなに性格が悪いなんて、みじんも知らないのだ!
と不知火は拳を握る。
そんな演説をする場所でもあれば、切々と語れる自信がある。
自分にだけは、すべてをさらけだしてくれている。
嬉しいが、やっぱりどこまでもハードルの高い恋人だ。
うーむともう一度考えると、意を決して、もう一度、アイスを口にほおばった。

アイスを食べ終えると、次のゾーンをめざす。
ペンギンが、ガラスごしにのっぺりと座るのが見えた。
目を細めて、のほーんと立っていたり、ちょっと動いては、だらーんと止まる。
そんな姿を二人で並んで眺める。
「うっわー、やる気ねー感じ」
原田が身を屈め、目の前のペンギンをのぞき見る。
「熱さに死んでる不知火みたいな図だな」
テンテンと間をさえぎるガラスをつつきながら笑う。
「なんだとーっ」
不知火が横から足をのばして、そんな原田を軽く蹴る。
「こうな、冷たい氷両手に、うだーっと首をつきだしてな、あちーって言う図。」
そう言いながら、原田がいつもの不知火の図をまねて、だらだら具合を再現する。
「そこまでひどくねぇから」
多少オーバーアクションを加える原田に不知火が抗議する。
「原田だって、外から帰ってきたら俺を押しのけて、クーラーの下で舌出してるじゃねぇかよ」
不知火もまねて、舌を出す。
「気のせいだ」
しっしっとペンギンを見ながら、不知火に手を振る。
「気のせいじゃねぇぞ。この間だって、俺がちょっと前に帰ってきて、やっとこクーラーがきいてきたと思って座ってたら、俺の前に座って風を遮りやがって」
「なんのことかねぇー」
体を起こした原田が、くくくと、また意地悪く笑う。
「なんでそう、たまーにガキオーラをだすんだっての!どうせなら、すべてにおいて、ハードルさげろっつうの」
思っていることが口にでる。
「いいじゃねぇか、その後、大人のチューをしてやっただろ」
そう言いながら、チュッと投げキッスをしてきたりした。
「そーだけど」
涼んで、汗が乾くと、原田は、フフフとそのまま不知火にもたれてくる。
ふくれる不知火の首に腕をかけると、引き寄せてキスをする。
ある意味、お約束になりつつある光景。
その、普通に、違和感ない流れでする仕草がどれもこれも色っぽく見えて、結局流されてしまう。
次を目指して前を行く原田を追いかけながら、チッと舌打ちすると、指で唇をなでた。
『今すぐ帰ってやりたいぞっ!!』
と心の中で不知火は叫んだ。

それでも、閉園までのかなり長い間、水族館を堪能したのだった。



□■□

ホテルに帰り着くと、お約束のように、
「アチーっ」
と言って、原田がベッドに転がる。
「おいーっ、そっち俺のベッドだっつうの」
「いいじゃねぇか、減るもんじゃなし」
不知火が原田を押しのけて座ると、ゴロンゴロンと原田がベッドの上で転がる。
減りはしないが、奇麗にメイキングされたパリパリのベッドに飛び込むという醍醐味が・・・と不知火は思う。
当然、原田もそれを狙っている。
原田の方のベッドについては、すでに、到着直後に原田がダイビング済みだ。
ゆえに、両方とも原田にとられてしまったのだった。
コノヤロウと思いながら、不知火が、わずかに残った奇麗な場所に転がる。
そして、ぐいぐいと体で原田を奥へと押しやった。
そうすると、原田もやはり、グググと不知火を押し戻す。
それをまた不知火が押し戻す。
そして、手をワキワキとすると、原田の腰をめがけて突進した。
転がって、シャツの間から見える腰を、つかむと、ワシワシと手を動かし肉を掴む。

「ちょっ!!やめーーっ!!」
腰の弱い原田が悶絶うって、壁にしがみつくように逃げた。
すべてにおいて、負け続けの不知火だが、原田の弱い体の部位なら熟知している。
「あまいなっ!」
逃げようとする原田の腰を追いかけて、モニモニと手を動かすと、
「うわわわわ」
悶絶をうつ原田が丸まって小さくなりながら、足で不知火を蹴る。
不知火はさらに負けじとその上からのしかかって、コショコショと両脇からせめた。
「うわーーーーっ!!もっギブギブー」
ベッドの上を泳ぐ原田がうつぶせ状態で、シーツをつかんで顔をつっこむ。
「参ったか?」
くくくと、不知火がうえから腰にのって、原田の顔を覗き込んだ。
「参った・・・・てか、まじアチーのに、余計に汗かいたじゃねぇか」
クーラーはつけてあるが、まだ、先ほどの外の汗がひいたわけではない。
「じゃぁ風呂入る?一緒に」
「はぁ?なんで一緒に入るんだよ。ホテルみたいな狭い風呂に」
グヌヌと下から不知火の体を押すが、不知火はいまだ上に乗ったままだ。
「いいじゃん、密着で。」
ニヤーッと不知火が笑うとさらに体をまげて、原田を抱き枕にするように腕をまわしてひっついた。
「密着どころじゃすまない気がする」
押しのけるのは諦めたが、代わりに、眉間に大きな皺がよった。
「そりゃぁもちろん、フルコースだろ?」
先ほどの会話を思い出して、不知火が、面白そうに言う。
「なんでフルコースに風呂がついてんだ、馬鹿かおまえは」
もうっ!!と肩をゆする原田にくっつき虫の不知火は全く離れてはくれない。
「バカでいいから、一緒に入ろうぜ。」
「いらねぇっつうの」
言えば言うほどくっついてくる。
「いいじゃねぇかよ。はじめての外泊なのによー」
「なんでそれで風呂まで一緒に入らないといけねぇんだよ」
まだ諦めない原田はぐいぐいとさらに肩をゆすった。
「あの土方さんだって、沖田とホテルで風呂エッチしたって話だぜ!!俺もしたい」
ブーッと唇を突き出して、原田の首筋に吸い付く。
「・・・・・は??なんで土方さん・・・・?ってかなんつう話をしてるんだ・・・・て・・・総司か・・・・」
あわよくば耳をはもうとする不知火の額を手の甲でペシッとはたきながら考える。
一瞬土方さんが言ったのか?と思ったが、そんなはずはない。
仲が悪いくせに、意外と沖田と話をしていたりする不知火なのだ。
まぁ、穏便な話ではなく、むしろ喧嘩の中ではじまる、お互いのラブライフ自慢なのだが。
お互いに負けたくないので、とにかく張り合う。
土方も前に困っていたが、相手がしていた事を自分もやりたがって困りものだ。
「一緒に風呂は、家で間に合ってる。」
なんだかんだ言って、よく考えたら、家の風呂でけっこうな確率でそんな展開をみている気がする。
原田は手をのばし、枕を掴んで振り上げ、不知火をばふんと叩いた。
「ホテルの風呂でのエッチは間に合ってねぇぞ」
へんなところで、蛇なみの粘りをみせる不知火が、まだまだ引っ付き虫をやめない。
「蹴られてぇのか?」
「蹴られるくらいでいいなら、いくらでも蹴られて一緒に風呂に入る」
ムチュッまた首筋にキスをした。
「・・・・・・・・」
駄目だこりゃと原田は思った。
いつもじりじり優柔不断のくせに、一度火がついたら不知火は引かない。
「・・・・・わかったから、風呂に湯をいれてこいよな・・・」
カリカリと頭をかくと、原田は沈没して、顔をベッドの上に埋めた。
甘いなと自己嫌悪におちいりつつ、結局好きだから自分でもあきれる。
不知火は喜々とした顔で、しっぽをふったワンコのごとく、ひっつき虫をやめ、風呂場へと飛んで行った。


湯船にお湯をはり、不知火が服をぬぐ。
原田はしぶしぶと、上着に腕をかけた。
すでに脱ぎ終わった不知火が、じーっと原田の方を見る。
「見んな、エロ不知火」
全裸で直視されると、なんともいたたまれない。
原田はぬいだ上着を掴むと、パンっと不知火の方に投げる。
不知火は、それを、あっさりとつかんで舌を出した。
「いいじゃん、別に、いつも見てるしよ」
不知火はそう言うが、行為の最中に脱がされるのと、何も無く、自分でぬぐ姿を見られるのとでは、意識的にもけっこう違うと原田は思う。
じとっと嘗めるように見る不知火の目は、視線の動きを感じて仕方がない。
蛇か何かが、体をはっているような気がするほど、ねっとりとしたものがある。
1ミクロンも見逃さないという風に、上着を脱いだ裸体をはう。
気にするなと、頭に言い聞かせて、下着に指をかけるが、ふと目線をあげるとまた不知火と目が合った。
「向こうへいけ」
低い声で言う。
「なんでぇ、いいじゃん。いまさら減らねぇって」
不知火はへへへと楽しそうに笑う。
「減る」
原田が低音でぼそりと言うと、不知火は間髪いれず返して来た。
「むしろ増える♪」
「はぁ??」
自信満々の不知火は下半身をおしげもなくさらしたまま、腰に手をあて、えっへんと胸をそる。
「エロ度が増す」
「!!」
聞いた瞬間、原田が横にあったもう一つの枕を掴んで、不知火に力一杯投げた。
バフッ!!と不知火の顔にあたって落ちかけた枕を、不知火が掴んで小さく悲鳴をあげた。
「うおっ!!」
「さっさと風呂場に消えろこのくされ不知火!」
びしりと風呂場を指差して、原田が目を吊り上げて大きな声で叫ぶと不知火がさらに笑う。
「もー、すっげぇ可愛いな原田先生♪」
そう言うと、原田がさらに次の枕を投げようと掴むのと同じタイミングで、不知火が、バスルームへと動く。
「のぼせないうちに、来てくれよなーっ」
ひらひらと手をふって、消えていった。
「のぼせちまえ、このエロ不知火っ!!」
そう叫び、その姿を見送りながら、原田は頭を抑える。
近くの鏡をのぞいてみたら、ほんのりと頬が赤い。
・・・・・・・・・。
自分がこんな反応をするなんて、数年前の自分なら想像もつかない。
一緒にいればいるほど、不知火のペースにはまることが多くなる。
むにーっと自分の頬をひっぱって、パンっと頬を叩いた。



服を脱いで、顔の赤みが引くのを待ってから、バスルームのノブをひねる。
不知火が、こちらに尻を向けて、足だけ湯船につっこんだ姿でバスタブに座っていた。
そして、腰をひねって、洗面台に置かれた石けん類を物色していた。
良いホテルなので、ユニットバスは、ホテルにしては広めに作られている。
大人が、ゆったりと背をもたれ、足をほぼのばせるくらいの大きさがあった。
原田はスタスタと不知火の後ろを通ると、湯船の中に足をいれた。
気にしたら負けだ!と心に言い聞かせる。
不知火が、ニッと白い歯を出して、原田の方を振り向いた。
「原田、いいの見つけた。」
そう言って、小さなボトルを持ち上げて、原田に投げる。
原田は慌ててそれをつかむと、ボトルの内容を見た。
「泡風呂用のソープか」
内容が描かれたシールを読む。
「そうそう、それ入れようぜ。」
玩具を見つけた子供みたいに、不知火が目を輝かせていた。
「お湯を入れる前に入れろって書いてあるけどな。湯の勢いで泡立たせるんだろこれ」
バカめ、と抑揚のない冷たい声で原田が返す。
「流して入れ直せばいいじゃん♪」
「もう好きにしてくれ」
喜々として不知火がかえすと、原田はもう、何を言っても無駄だと首を振った。
原田が言うと、不知火が、さっそくとばかりに、風呂の栓を抜く。
ワクワクとする不知火の横で、原田が同じく、バスタブに座り、体をかがめて、膝に肘をたてて手のひらに顎をのせながらその図を見ていた。
男二人で風呂場のお湯がひくのを待っている図というのも、なんともおかしい。
お湯がなくなると、改めて、説明書きのとおりに用意して、お湯を流し込む。
「おーっ!!すっげ」
泡がモコモコとバスタブの中で生まれてくる。

子供みたいにはしゃぐ不知火に、うっかり胸がキュンとしてしまうのは、決して不知火だけに関することじゃない!
俺はそもそも子供が好きだからであって、それだけだっ!!と原田は自問自答をする。

入れすぎると危険なので、二人で、バスタブの中に入り、お湯加減を確かめると不知火が言うので、それにつきあう。
いちゃいちゃしたい不知火の意向により、不知火が後ろに座り、原田が前で腕の中に収まる形になった。
「なんかちょい、ソープランドみてー」
ウヒャヒャと泡をすくって、不知火が遊ぶ。
「行ったことあんのかよ」
原田の声は冷たい。
「ねえけどよ」
原田が睨むと不知火が気にせず即答で答える。
「でも、エロビデオでみた」
手にすくった泡を、原田の肩の横から顔をだして、フッと吹く。
泡が目の和えでキラキラと舞った。
「・・・・・・・・」
原田は沈黙でため息を吐く。
不知火の部屋の本棚に数本並んでいるのは知っている。
それはもう、どうどうと並べてある。
まだ卒業する気のなかった頃の産物だ。
見ているのも知っているし、直すのを忘れていたDVDが、他のものを見るために電源を付けた途端に回りだして、結局二人で見た事もあるが・・・・堂々と言われると返答に困る。

そして後ろから羽交い締めにされている状況では逃げることができない。
不知火の手が、これみよがしに、原田の肌をすべる。
ぬるりとした感触は、いつもの感覚とは違い、よりへんな気持にさせる。
泡で下半身はまるっきり見えないが、見えない場所で動く手は、通常以上に官能的だ。
「不知火・・・・・さわんな」
ペシリと泡の中で、不知火の腕を叩く。
「なんで?気もちいいだろ?」
当然、不知火がそれでひるむはずが無い。
これだけ触れていれば、どれだけ我をはってみても、ほんのわずかな反応だけでばれてしまう。
「・・・・っん」
しばらく我慢をしていたが、不知火の腕の中で、原田が顔をしかめる。
「おまえ・・本当にやめ・・・」
下半身が反応し、カッとなって振り向いたら、不知火の唇にはばまれた。
からむお湯と泡の感触が、身体をより一層あつくする。
フッと吐息をもらした原田の肌に、さらに手のひらを滑らせ、反応する中心をキュッと掴んだ。
その形をなぞるように、ゆっくりと指先が動く。
「・・・っ」
いいようにされ、しばらくの間、押し殺した声を荒くもらしていたが、ついに原田はたまらず、カクンと身体を動かした。
そして、予想外に早く達し、頭がクラクラとする。
「すっげぇな、いつもより感じてる?」
肩越しに、不知火が囁く。
吐き出した液体が見えなくても、きっちりと手のひらに掴まれたモノの動きでばれてしまう。
五月蠅いっ!と怒って出てしまいたいが、泡に濡たままではそうもいかない。
そのうえ、おかしいくらい、足腰に力が入らなかった。
せめてもの抵抗に、なんとか動かした足の指先で、栓を引き抜いた。
コポンと空気を吐き出して、お湯が少しずつひいていく。
「まだぬかなくてもいいじゃねぇかよ」
不知火も足をのばして、ぬけた栓をさし直そうとさぐるが、原田がそれに足をからめて、遮る。
昨今のよくできた排水溝は、意外と早く、お湯をぬいてしまうらしい。
吐き出した残骸が見える間もなく消えて無くなったのはありがたい。
うっかり残りでもしたら、それこそもう、耐えられない。
「五月蠅い、もう、暑い。さっさとでるからのけろ」
からむ不知火の手をのけて、シャワーのカランに手をのばす。
もうすぐ届く、というところで、不知火に、シャワーをとられた。
「めちゃくちゃ動揺してるだろ」
くくっと、白い歯を見せて笑いながら、不知火がかわりにシャワーのカランをまわす。
勢いよくでたお湯が、体に残る石鹸を流す。
不知火の手から強引にシャワーを奪うと、ざっと自分を洗って不知火にかえすと、今度こそ足腰に力をいれて立ち上がった。
原田はそのままバスタオルをひっつかんで、急いで部屋へとでて行った。
そんな背中を見送って、
「超可愛いじゃん♪」
と不知火は一人口笛を吹いた。


□□□

泡を流して、バスローブをはおり、頭を拭きながら部屋に戻ると、原田がベッドに転がっていた。
そうとうへこんでいるらしい。
不知火は、心の中で『一勝!』とほくそ笑む。
とりあえず、原田のことは置いておき、ドライヤーの線をさして、自分の髪をかわかす。
一通り乾かすと、線をぬいて、原田の方へ近づいた。
ベッドの近くに線をさし直すと、温風をだして原田に向かって風をふかせる。
「原田せんせーい、髪の毛かわかさずに寝てたら、ボサボサになるぜーい」
くくくと笑いながら、近づく。
原田は無言だ。
「寝ててもいいけど、その型がついたまま、かわくぞ」
不知火は、わざと、原田の髪をくしゃくしゃにしながら温風をかけ、ツンツンと背中をつつく。
「うるせー」
うなるような声が返ってきて、ムニッと、皺のよったシーツをつかむと、原田がむくりと起き上がった。
ぼさぼさにされた髪を手櫛で適当に整えるが、不知火には背を向けたままだ。
「なにも、そこまでへこまなくてもいいじゃん。ちょっと早くいったくらいで」
不知火がさらに追いこんでそう言うと、原田が掴んだ枕を力一杯振り上げて、バフンと不知火にあてた。
「超、可愛いぜ、原田先生♪」
「先生言うなっ!!」
バフンとまた、枕があたる。
不知火はそれをひょいとのけながら、温風を原田の髪にむけ、からまらないように開いている方の手を、髪に絡ませて指ですく。
「そんな事言って、まだ足りねぇだろ?」
クスクス笑い、髪を乾かしながら、腕を首から肩にかける。
「もう、まじ、うぜぇ。いいからさっさと乾かせよ!」
後ろを向いたまま、真っ赤になった原田が、これでもかと、不知火の頭を叩く。
「もーう、人にやらせといで、いい態度だな。そんな原田も好きだからいいけどよーっ」
やっぱりへこたれない不知火は、面白そうにニヤニヤと笑いながら、さらに、指で髪をすきながら、温風をふきつける。
それから、少しずつかわいてきた髪をはねないように、櫛をとかして、整えた。
自分の髪がそもそも長いので、扱いには慣れている。
はじめて、原田の髪を乾かしているが、ちょっと、自分の中に収まる姿に幸せを感じたりした。
あまり言うと、それこそ完全にへそを曲げてしまわれそうなので、心の中で思うだけだが。
不知火は、幸せ顔で、綺麗に乾かすと、ドライヤーのスイッチを切った。
線をひきぬいて、サイドテーブルに置くと、原田の身体を抱き寄せて、髪に顔をうずめた。
普段、家では、同じ匂いがすると、学校でも体裁が悪いので、お互い違う石鹸をつかっているが、こうして、同じ石鹸の香りがするのもまた、なんとも嬉しかったりする。

「あつくるしい」
何度も顔を髪にうめてすりつく不知火に、原田がげんなりとした顔をした。
「クーラーがんがんにきいてるっつうの」
手を原田の前でクロスして、耳元に唇を寄せる。
そして、甘い声で囁いた。
「今度は、普通に抱くから・・・いいだろ?」
原田の体を斜めに引いて、ゆっくりとベッドにおろすと、上から両脇に手をついて、のぞきこんだ。
顔はいたって真面目に原田を見ているが、面白いなぁと不知火は思う。
女性に対する原田は、それはもう、こっちが嫉妬するほどフェミニストで、正直、原田に対した女性の80%以上、いやもっとかもしれない人数が恋に落ちると思うほど、優しいし、余裕だし、非の打ち所がない。
だけど、自分にたいしては、その完璧さが崩れて、こうして、自分の腕の中におさまる。
顔を赤くして、拗ねて、自分の中の、戸惑いを隠すように、不知火を叩く。
何万人の女性が、原田に恋をしたとしても、原田にうつるのは不知火だけ。
わかっていても、その、何万人の女性に妬いてしまうくらい、不知火も原田が好きだ。

平静を装った原田の唇が、うっすらと開く。
それにつられるように、不知火は、体を原田の上に落として行く。
ゆっくりと近づいて、唇を重ねる。
チュッと短く、音をたてついばむ。
さらにもう一度。
トロンと開く原田の唇を感じながら。今度は深く口づけた。
原田に体重をかけない、絶妙のバランスで、肌が触れる。
舌をからませ、優しく抱く。
片方の肘を脇についたまま、もう片方の腕を原田の首へとまわした。

浮いた体が不知火に近づき、舌を絡ませる。
「んっ・・・」
相変わらずの相性のいいキス。
重ねるだけで目がくらむ。
不知火は思わずがっつきたくなる思いを押さえ込みながら、極力ゆっくりと抱いて絡んだ。
怒りもせず、受け入れてゆだねてくる重みを確認すると、腕を、ゆっくりと首の下からぬきながら、原田の唇をはなれ、首筋から、鎖骨のラインをつたって、唇をすべらせる。
すれてはだけたバスローブを少しひっぱり、あらわになった赤い蕾へと移動して、それを唇の先で挟む。
ヒクリと原田の胸が反発して逃げるが、それをのがさように、もっと深く、唇の中へと吸い込んだ。
赤い舌をだし、ぺろりと嘗める。
濃厚に、絡んだかと思えば、ツンッと舌先だけでそこをつく。
「・・・っ」
何度も繰り返すと、押し殺した吐息が漏れる。
気にせずついばみながらもう片方の指で、開いている方の蕾を転がす。

少し触れただけで、ピクンと固く不知火の指を押し返す。
両方をまんべんなく、しばらくの間もてあそぶ。
そして、ズズッと一度大きく吸い上げた。
「うあっ・・」
小さな悲鳴と共に、原田の手が、不知火の頭を掴む。
下ろされた長い髪が、指に絡まって頭を押す。
不知火は目線を原田の顔へあげながら、もう一度チロリと舌先で舐めると、じらすように、一瞬静止して、また、今度は小さくチュッとすいあげる。
ヤメロと抗議するように動く体を、嫌らしく指を動かして、腰まで動かす。
乳首への刺激を続けたまま、中途半端にはずれた紐に指をかけ、完全に解くと、一糸まとわぬ肌が姿を現す。
ただそこにあるだけでゾクリとする。
不知火はコクリと喉を鳴らした。
そこにいるだけで犯罪的な色香を感じる。
そして、屹立した中心をまじまじと見てしまうのは、絶対自分のせいではないと思う不知火だが、原田に頭をたたかれた。
「見るな」
それでもまだ目線を向けると、原田に今度は髪の毛をひっぱられた。
「いってーって!!もう、まじ容赦ねぇな」
「あたりまえだろ・・恥ずかしい」
髪を頭上でつかまれたまま、不知火が顔をあげて原田を見る。
眉間に皺をよせて、目をそらす、それにすら目がくらむ。
ハアーッと深く息を吐き出すと、原田の腰にまとわりついた。
クッと奇麗に筋肉のついた場所をつまむ。
ピクリと原田が動く。
もう片方の手を、肌の上から滑らせて、下半身に手をのばした。
じらすように、手のひらに納めていくと、原田が先ほどよりも大きく体を動かす。
声をだすまいと、思わず、手の甲を唇に挟んだ。
不知火はあえて一度掴んだだけで、そこから手をはなし、さらに奥へと指をのばす。
まだいかれたら面白くない。
風呂場でだって、不知火はまだ一度もいってはいない。
うーむと考えながら、原田の足を持ち上げて開く。
羞恥きわまりない姿に、原田は歯をかんで自分の顔を隠した。
不知火は、チロリと赤い舌を出すと、顔をそこへと埋めていく。
舌先ですぼまりを刺激して、くるりと舐める。
「んっ・・・ぅ」
小さな呻きが聞こえてくるが、気にしない。
いちいち気にされたら、原田だって困るに違いない。
羞恥心が増すだけだ。
それを楽しむ嗜好もあるかもしれないが、今は別に求めていない。
ただ、抱きたい。
優しく抱いて、同じ時間を共有し、一緒にいきたい。
そのために、受け入れやすいようにそこを広げる。
十分に濡らして、指をそえる。
ゆっくりとほぐれているかを確認しながら、中に侵入すると、原田が、またビクリと腰をうかした。
いいところにヒットしてしまったらしい。
「もうちょっとだけ・・待って」
不知火が、気をつけながら、そこをさけて、奥を目指す。

「・・・はや・・く」
朦朧として、思考がおかしくなってきた原田が思わず声にだして不知火を求める。
「わかってるって」
感じているせいか、そこが、小刻みにキュッキュッと指を締め付けてきた。
顔に手首をあて、耐える原田を気づかいつつも、極力入念にそこを和らげる。
そして、頃合いをみて、ぐっと足を先ほどよりも開き、その間に入りながら、自分でも限界になりつつあるソレを秘部に充てた。
「原田」
名を呼び、口づける。
とろりと開いた唇から、熱い息が、不知火の口内へと移る。
開かれ、侵入され、原田が不知火を受け入れていく。
ギシッとスプリングの音を鳴らし、不知火はゆっくりと腰を大きく動かした。
「うあっ・・んっ・・」
時折小さな甘い声を吐き、原田が強く不知火の腕をつかんだ。
幾度となく、出し入れを繰り返す不知火の動きに、原田の体が、スプリングの上を上下に泳ぐ。
「・・・は・・・・ぁあ・・・・あ」
さすがに、限界らしい。
恥も外聞もなにも考えられなくなった原田の腕が、不知火の腕を強く掴み、爪が食い込む。
不知火が、最期とばかりに唇を吸い上げる。
「んんっ」
どくんとうごめく血流の動きに、原田の腰が反り、スプリングが今まで以上に大きく動いた。
「・・・・・ぁはっ」
不知火は一度、唇をはなし、空気を吸い込むと、ゾクリとする感覚とともに、もう一度唇を重ねた。
これ以上、原田の高い自尊心を傷つけないように、声を閉ざす。
ヒュッという喉の音とともに、原田のモノが二人の肌を汚す。
それと同時に、原田の中へと、不知火は熱いものを吐きだした。


□□□

二人並んでベッドの上に転がる。
いつもと違う場所というのもまた格別だ。
「やっぱ、文明の機器は最高だよなぁ」
布団から腕をだし、満足顔の不知火が、空気の冷気にそよぐ。
「寒い」
「そうかぁ?温度上げる?」
布団をひっぱる原田に、不知火が聞く。
「別に」
布団を自分の顔へとひっぱりあげ、原田はプイッと不知火に背を向けて小さくなった。
「どっちだよ。てか、どこぞの女優みたいな受け答えすんなって。まだ拗ねてるわけ?」
本当に、そうとう落ち込んでいるらしい。
不知火は楽しくて仕方なく、そんな原田をおいかける。
「拗ねてねぇ」
布団に顔をうめた、くぐもった声がかえってくる。
「拗ねてんじゃん。超可愛いなぁ、俺を萌え死なしたいの??」
「ざっけんなこのエロガキ」
不知火が足を絡ませると、原田の足が、不知火のその足をゲシゲシと追いやる。
「いるだけでエロい人には言われたくない」
本当に面白いと、原田の生肌に絡み付く。
「てめぇの目がおかしい」
「おかしくねぇもーん。」
「おかしい」
くっつき、肩をゆすられ、またくっつきを繰り返す。
「ふぎゃっ!!ちょっ、生肌つねっ・・・・うおぉぉお」
しつこさにムムムとなった原田が、ギリギリと不知火の脇をつねりあげた。
「やめっ、やめっ!!!」
そのうえ、脇腹をくすぐられ、ヒーッと丸くなって悶絶を繰り返す。
そして、開き直った原田がバサリと布団をまくりあげると、簀巻きにするように、不知火をくるんで、その上に乗って、ギューッと体を締め上げた。
綺麗に、布団に巻き上げられた不知火が、耳を左右に引っ張られて、ギャーッと首を振る。
「参ったか不知火」
「ウヒャヒャも!!参ったって・・・うあぁやめー!!ギブギブー」
さらにこれでもかと、耳が左右にひっぱられるが、何せ、腕ごと巻き取られてしまったので、動けない。
不知火は、浜にあげられた魚みたいに、ビチビチとベッドの上ではねた。
「よし」
不知火が完全に白旗を振ると、原田は、不知火に乗り上げて見下ろしながら、フッと満足げに、腕を組んだ。
当然、互いに全裸のままだ。
「その姿すらエロい」
不知火が原田の姿を横目で見て、ぼそりと呟く。
「あん?」
聞き逃さなかった原田が、体重を大きく不知火にかける。
「ぐええっ!!なんでもねぇでございます」
ギロッとドスの聞いた目で獲物を見つけた蛇のごとく睨まれ、おかしな日本語を吐いて、不知火は、亀みたいに首をひっこめた。
触らぬ神に祟りなし。
大人しく、隣でぬくぬくと寝る方を選ぶ。
追い出されたら、せっかくのお泊りも台無しだ。
このまま、縄でもかけられたら、なお困る。
やっと解放されて、ライトを消して、今一度、ベッドの中にもぐりこむ。
ツインの部屋なので、一つのベッドに図体のでかい男が二人は少々窮屈だが、その分密着できるのがありがたい。
さっさと、ホテルそなえつけの寝着を着られてしまったのは残念ではあるが。

「不知火、卒業して、無事合格したら、また旅行するか。春休み中に」
横に並ぶ、原田が言う。
めんどくさい不知火は、全裸のままだ。
不知火の腕枕に、原田は抱かれている。
「まじ?いいねぇ」
声が喜びに満ちている。
「合格したらだぞ」
原田は、確認するように言った。
「わかってるよ。めちゃくちゃ頑張るっつうの」
「人参ぶら下げて走る馬みてぇな」
力一杯主張する不知火に、原田は少し笑いながら体を動かす。
「走るともよ。俺の本気をなめんなよ?だからよう、ちゃんと、合格できたら、お願い一個聞いてくれよ」
不知火が体を動かして、原田の腰に腕を回す。
「お願い?」
不知火の密着を避けるように、原田が少し、違う方を向く。
不知火はそんな原田の肩越しに、顔を近づける。
「うん、・・・俺と結婚して」
そうぼそりと言うと、原田が目を見開いて、不知火の方へと転がって顔を見た。
「はぁ?」
バカだこいつ!!という風に、顎をつきだして、声をあげる。
「うっわ、めちゃくちゃ、馬鹿にした顔!日本で同性結婚できない事くらいはわかってるぞ、さすがに」
コノヤロウと、不知火が原田の首を掴む。
「いやぁ、不知火のことだからなぁ、あるかと思ってな」
その腕に抱かれながら、原田は頭を不知火の胸につけて笑った。
「違うっつうの。だからよう、気持ちの話であってだな。ちゃんと、指輪とか用意するからもらって欲しいっていうか、この間のみたいのじゃなくて、もうちょっと、それっぽいので・・・・いやまだどれって決めてないし。金額も、一応貯金してるけどよー、どこまでいけるかわからねぇし、うーん、だから」
気持ちが強過ぎて、上手く言えないのがなんとももどかしいと不知火は思う。
悶々としながら、言葉を選ぶ不知火に、原田が腕を不知火の背中に回して抱きしめた。
「いいよ」
小さな声で言う。
「へ?」
あっさりと答えられ、不知火が今度はキョトンとした顔をした。
「いいよって言ってんだ、楽しみにしてる。今度くれるそれは、ちゃんと左手の薬指につけるから、ちゃんと俺がつけて違和感のない、何着ても、どこででもつけれるような、お揃いで似合うやつ選んでこいよな。」
「え・・・」
前にプレゼントしたリングのネックレスは、今ははずして、時計とともにテーブルに置かれているが、いつも原田の首で揺れている。
指輪の形をしているけれど、指輪ではない。
誰も、恋人にプレゼントされたものだなんて、思ってはいない。
知っているのは、土方や沖田、永倉や、種村など、ごく少数の仲間内だけだ。
けれど、左手の薬指にそれをはめたら、いよいよもって、誰もが何かを察するし、いかにも意味深で、隠しようがない。
「なんだよ、結婚指輪なんだろ?」
戸惑う不知火に、原田が今度はいたずらっぽく笑顔を向けた。
「う・・・うん」
勝ったと思ったのに、またひっくり返された。
でも・・・でも・・・。
「じゃあ、旅行は新婚旅行だな。ちょっと豪華にいかねぇとな。」
嬉し過ぎて、幸せすぎて、ついつい、何か裏があると思ってしまう。
「ああ・・・てか、受かると思ってないからとかじゃねぇよな?」
オドオドと不知火聞いた。
「そうして欲しいのか?」
ほーう、という風に、原田が見る。
「いっ・・・嫌だけど」
キョロキョロと目が動く。
「だーかーらー、いいっつってんだろ。そのかわり、落ちたら知らねぇぞ。次はないと思え」
ニイッと原田が歯をみせて笑い、不知火の頬を引っ張る。
「受験生に教師が落ちるとかいうか」
ウルウルとちょっぴり涙目で、不知火は原田を見る。
「不知火だからいい。撃たれ強い子に育つがいい。てかむしろ、打たれて喜んで力を発揮するタイプだと思われている。なぁ、泣き虫不知火くん」
くくくと笑い、掴んだ頬を、ぷるぷると左右にひっぱられた。
「なんだそりゃぁ!てか泣いてないぞっ!!」
強がりに叫ぶが、目頭が熱い。
「ほら、いいから約束」
原田が小指をだす。
「約束・・くっそ絶対受かるぞこのやろーっ!!」
不知火もつられて小指をだして、絡ませる。
約束・・・・。
怒らせても、怒っても、意地悪しても、されても、やっぱり好きの気持ちは増すだけだ。

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プロフィール

十六夜桜(通称:野良猫)

Author:十六夜桜(通称:野良猫)
野良猫と申します。
あっちでは薄桜鬼、こっちでは白華の檻と乙女ゲーに踊らされております。

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※当blogにある画像及び、小説等について、転載及び、個人で楽しむ以外の使用はご遠慮下さい。

※タイトル欄や本文に<R18指定>と記載されているものにつきましては、教育上宜しくないと思われる内容を含むおそれがありますので、18歳未満の方の閲覧を禁止させていただきます。ご了承下さい。


※SSLシリーズでは、特に公式にない設定をかなり、作っております。
おい!って思われるだろう設定もあるかもしれません。 特に、たとえ、史実をほのめかす内容があったとしても、史実の隊士たちや、御家族にも、全く無関係の創作であると強く主張致します。
公式を離れた内容に抵抗がある方にもお勧めできませんので、宜しくお願いします。 それらもふまえたうえで、それでもOKという方のみ、ご覧下さい。


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