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薄桜鬼オンリーイベント【ゆきさくら 第五章】

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2011/08/24 Wed  12:48
十五章 『十六夜の月』(薄桜鬼 土方×沖田)

BL要素を含みますので、苦手な方はご遠慮下さい。
また、他章にてR18指定の内容がでてくることもありますので御理解のうえ、お読みください。
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十五章 『十六夜の月』(土方歳三)

(慶応元年五月)

 この月、将軍の上洛に伴い、新選組は、二条城の警護をまかされていた。
 二条城では、風間、天霧、不知火など、池田屋で一度交えた、「鬼」と名乗る存在との一悶着もあったのだが、この警備のおり、近藤さんと、意気投合した医者が屯所にやってくることになった。
 体調を崩す隊士も多かったため、健康診断をと頼み込み、来てもらったのだ。
 総司が、自分が、労咳にかかっていると知ったのは、この時のことだったという。
 俺がそれを知るのは、それからまだしばらくたった後のことになる。
 松本先生に問いただし、それを聞きだすまで、総司はその事実を隠し続けた。

 それから数年の間に、様々な事があった。
 何より大きかったのは、将軍が変わったことだろう。
 一橋慶喜、長く続いた江戸幕府の終焉を飾ることになる将軍である。
 英名で、天使様の信頼も熱く、近藤さんは、色めき立っていたが、何かが崩れていくようで、腑に落ちない嫌な予感が渦巻いていた。

 さらに、慶応三年三月には、山南さんが生きていることが、伊東さんにばれてしまい、黙っていることとひきかえに、御陵衛士として斎藤や、平助を含む伊東派の隊士たちが離隊していった。
 「鬼」の襲撃も多々うけるようになり、総司も寝込むことが増えていた。


 >>>>


(慶応三年夏)

 島原で、秘密裏に宴席を開く尊攘浪士たちを取り締まるべく、御用改めが行なわれた。
 その時、遭遇した、風間の言葉がひっかかる。
 「捕物に、病人までかり出すとは、な。やはり新撰組はよほど人手が不足しているとみえる」
 あいつに、言われなくとも、わかっちゃぁいる。
 伊東さんについて、斎藤や、ヘイスケが新選組をでた今、総司をつれださなきゃいけねぇほど、人手は、ぜんぜんたりねぇし、総司の病状考えりゃ、そりゃぁ、休ませてやらなきゃいけねぇんだろうさ。
 総司の病状は、あきらかに悪化し、御用改めについてきていることさえ、奇跡に等しい。
 それでも、一秒だって長く、総司と共に走りたい。走らせてやりたい。
 

 『命がけの戦いがあるかもしれねぇからこそ、一番組組長、沖田総司をつれてきた』
 あれだけは、誰が何と言おうと、本心。
 月明かりの下、庭先から総司の姿をみつめる。
 ときおり、咳をくりかえしては、刀を持ち上げるしぐさをする。
 縁側の柱にもたれて、剥き身の刀を両の手で握り、握っては離す。
 肩にあたって、胡坐の間にストンと落ちたのを気に、けだるげに上を見上げる。
 冴えわたる、十六夜月をぼんやりと眺めていた。

 俺は深いため息をつきながら、総司のいる縁側へと足を進める。
 「総司?」
 病のせいで、随分とやせた体がそれに反応し、俺の姿を一瞥する。
 一瞬だけ困ったような顔をして、何事もなかったかのように目をそらす。
 都合の悪い時はいつでも、眼をそらそうとする。
 わかりやすい奴だと思いつつ、呆れながら、さらに近づく。
 「こら、総司。無視するんじゃねぇよ」
 ずんずんと近づいて、なお、顔をそむけたままの総司の後にたつと、その頭をこついてやる。
 まだ、眼をそらしたまま、憮然とした声があいかわらずの嫌味をはく。

 「お邪魔虫か来たから見なかったことにしたんですけど。」
 俺は、一瞬口を開けて、心の中でため息を吐くと、
 「ひでぇやつだな。」
 石段に草履をぬいで、総司がすわる縁側に上った。
 身をかがめて屋根の向こうの空を見上げると、黄青く輝く、丸い月がよく見えた。
 酒は、飲める口じゃねぇが、原田や新八が、月を魚にいっぱいやろうと盛り上がるのも分からなくもない。
 目を細めながら、総司の隣に腰をおろした。
 総司が横に転がしていたもう一振りの脇差を手にすると、力強く鞘をつけたまま前につきだす。
 もう一度、引き寄せて、ツバを引いてカチリと戻す。
 その姿を、総司は横目で、眼を細めながらみていた。

 「気にしてやがるのか?風間が言っていたこと」
 総司のことだ、自分には、人斬りでしか役にたたねぇとか、思い通りにならない自分の体をうらめしく思っているのだろう。
 あの時は、総司も、風間に嫌味のひとつも言って立ち去りやがったが、どうにもおさまらない気持ちが、もやもやと胸をうずまく。
 何を言っているのか?
 と人ごとをよそおおうとしているが、一瞬、ぴくりと眉が動いた。
 いつだって、人をみすかしたような態度をとり、言いたい放題な物言いをするくせに、肝心なことは言おうとしない。
 ただ、かすかに零れるそのひずみを、俺は、やり切れない思いで見せられることになるのだ。
 人一倍、つらい思いを背負いこむ、感情表現が不器用な総司。

 なんとかしてやりてぇと思うのに、どうしていつも、うまくいかないのだろうな。
 今この時でさえ、迷ってる。
 どうしたら、一番よいのか、道が見えない。
 一緒にと・・・そう・・約束したのに。

 不器用なのは、俺も同じか・・・。

 総司と同じ、柱にもたれ、触れた肩のぬくもりを感じる。
 何もしてはやれねぇが、一つだけ、たがえねぇ思いがある。
 「誰がなんと言おうが、新選組の1番隊組長はおまえしかいない。そうだろう?その手に刀が握れなくなっても、動けなくなったとしても、お前と共に、この新撰組を、近藤さんを、押し上げる。それだけはかわりはしねぇ。いつもみたいに、悪態ついて、喧嘩を売ってくれねぇと、調子がくるってしかたねぇ」
 総司によく届くように、ゆっくりと言葉をつむぐ。
 聴いていた、総司が肩をすくめて言う。
 どんな表情をして聞いているのか、こちらからはわからない。
 「土方さんが調子を崩してたら、それはそれで面白いじゃないですか。」
 悪戯っぽい、いつもの声で。
 「なんだとっ」
 顔をあわさぬまま、体をゆすって抗議をしめす。
 「あはは」
 総司が笑い声をあげると、こちらも自然と笑みがこぼれる。
 こうやって、悪態つけるうちは、まだ、大丈夫だと思うと、おかしい気持ちになってくる。
 それでもお前は、心が晴れたわけではないのだろう?
 本当に、かなわねぇな。
 いつだって、お前ばかりが前を行く。
 なぁ、総司、俺をおいて先へ先へと、逝ってしまうな、・・・俺は。

 二人、背中あわせのまま、静かに、空を見上げる。

 十六夜月。
 満月を超えて、かけゆく月。
 かけてもなお、
 かけたることを気付かせずに輝く。
 否、
 かけたることに、気づかないふりをする。
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プロフィール

十六夜桜(通称:野良猫)

Author:十六夜桜(通称:野良猫)
野良猫と申します。
あっちでは薄桜鬼、こっちでは白華の檻と乙女ゲーに踊らされております。

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公式を離れた内容に抵抗がある方にもお勧めできませんので、宜しくお願いします。 それらもふまえたうえで、それでもOKという方のみ、ご覧下さい。


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